不明住民3人の捜索続く 九州3県豪雨、5人死亡

 九州北部の大雨で、土石流や河川氾濫に見舞われた各地域では11日、道路や上下水道の寸断といった影響が続き、地元関係者が対応に追われた。佐賀、大分両県では、県警や消防が行方不明となっている住民の捜索を引き続き行った。共同通信の集計では、福岡で4人、佐賀で1人の計5人の死亡を確認。佐賀と大分で計3人が安否不明となっている。

住宅が巻き込まれた佐賀県唐津市浜玉町の土砂崩れ現場で続く、行方不明者の捜索活動=11日午前9時26分(共同通信社ヘリから)
住宅が巻き込まれた佐賀県唐津市浜玉町の土砂崩れ現場で続く、行方不明者の捜索活動=11日午前9時26分(共同通信社ヘリから)
福岡県久留米市田主丸町で流れ込んだ土砂を片付ける人=11日午前9時32分
福岡県久留米市田主丸町で流れ込んだ土砂を片付ける人=11日午前9時32分
住宅が巻き込まれた佐賀県唐津市浜玉町の土砂崩れ現場で続く、行方不明者の捜索活動=11日午前9時26分(共同通信社ヘリから)
福岡県久留米市田主丸町で流れ込んだ土砂を片付ける人=11日午前9時32分

 気象庁は11日、活発化した梅雨前線の影響で非常に激しい雨が降り続いた九州北部について、引き続き土砂災害に厳重に警戒するよう呼びかけた。
 死亡した5人とは別に、福岡県太宰府市では10日夜、冠水したアンダーパスで男性が浮いているのが見つかり、死亡が確認された。大雨との関連を調べている。
 土砂が住宅2棟に流れ込み、50代と70代の男性2人と連絡が取れなくなった佐賀県唐津市浜玉町平原では、県警や地元消防、自衛隊が200人超の人員で捜索を続けた。現場では10日、70代女性1人が心肺停止の状態で発見され、死亡が確認された。
 県によると、11日午前、同市の河口付近で男性を発見した。既に死亡しているとみられる。大雨との関連を調べる。
 大分県中津市耶馬渓町では10日、50代女性が川に流されたとの通報があり、乗っていたとみられる軽自動車が見つかった。11日朝から、地元消防や警察が約130人態勢で川沿いを中心に捜索に当たった。
 佐藤樹一郎知事は、11日の県災害対策本部会議で「人命最優先を念頭に置き、捜索活動や情報収集を実施すること」と指示した。
 福岡、佐賀、大分の3県では10日、線状降水帯が発生し、断続的に激しい雨が降り続いた。福岡県久留米市田主丸町では裏山が崩れ、付近の住宅に土砂が流入。地区の12世帯計27人のうち10人が巻き込まれ、70代男性が死亡した。
 周辺では、住民らが流れ込んだ土砂をスコップや重機を使ってかき出すなど、復旧作業を続けた。

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