北朝鮮、農業で重要会議 流通混乱で食料不足か

 【北京共同】北朝鮮メディアは27日、国政方針を決める重要会議の朝鮮労働党中央委員会拡大総会が26日平壌で招集され、金正恩党総書記が司会を務めたと報じた。農業と食料生産に絞った内容が扱われ「切迫した課題」が討議、決定されるとしている。26日の金正恩氏の発言内容は伝えられなかった。会議は27日も続くとしている。

朝鮮労働党中央委員会拡大総会で発言する北朝鮮の金正恩党総書記=26日、平壌(朝鮮中央通信=共同)
朝鮮労働党中央委員会拡大総会で発言する北朝鮮の金正恩党総書記=26日、平壌(朝鮮中央通信=共同)

 関係者によると、北朝鮮では昨年農産物の流通システムの国家統制を強めたことで供給網が混乱している。作付けが低調だったこともあり、韓国政府は食料不足による「餓死者が続出している」との見方を示している。実態は不明だが、北朝鮮当局は供給と生産量の拡大を迫られているもようだ。
 関係者によれば北朝鮮では昨年秋「チャンマダン(自由市場)」での穀物取引が厳しく規制されるようになった。市民は当局の管理下でコメなどを購入しているが、当局が必要量を確保できていないという。山が多く耕作に不向きな北部などで食料事情が特に悪化しているとの情報がある。
 中央委拡大総会の開催は昨年末以来、約2カ月ぶりで、これほど短い間隔で開かれるのは異例。昨年末の総会の時期に農産物の流通の混乱が広がり、報告や討議を行わなかった可能性がある。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞