秋元才加さん秋元才加さん

気持ち伝え話し合って

AKB48のメンバーにも、いじめられた経験を持つ子がいます。私自身もそうでした。

小学生の頃、目立つのが好きでした。芸能人に憧(あこが)れ、安室(奈美恵)ちゃんのような格好をしていました。そのせいか、2、3歳上の男子たちにいじめられました。私の悪口を公園に落書きされたり、教室の机に彫られたり。「なぜ文句を言われるんだろう。どうして私はみんなと違うんだろう」と泣いていました。

AKB48に入ってからも、大柄(おおがら)で、正統派(せいとうは)アイドルの体つきではない自分が嫌(いや)でした。でも、少しでも目立つ要素があれば、人数の多いAKB48の中にいても、ファンの方に顔を覚えてもらえる。このスタイルでも悪くないんだと思えるようになりました。

ファンとの握手会で「自分に価値があるのかわからない」と悩みを打ち明けてくれる人もいます。短い時間なので相談には乗れないけど、一歩踏み出して話してくれる勇気がうれしい。独りで悩まず、自分の思いを話してみてほしい。親でも先生でも友達でもいい。

そこで考えが合わないこともあるでしょう。でも、意見の対立は悪いことではありません。AKB48のメンバー同士でも公演や舞台で話す内容をめぐって衝突(しょうとつ)することはあります。

私は嫌われるのを恐れ、最近まで黙(だま)っていることが多かったけど、それでは意見を持っていないことになると気づきました。より多くのファンの方に応援してもらえるように、今では納得(なっとく)するまで議論します。

個人の考えは一人ひとり違う。それでも恐れずに自分の気持ちを伝え、話し合うことが、いじめを脱(だっ)する一歩になると思います。(あきもと・さやか=AKB48)