一色清の「このニュースって何?」

北朝鮮が新型ミサイルを試射 → 「貧しい軍事大国」になった理由を知ろう

2021.09.17

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一色 清
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日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(写真は、平壌で9日、建国73年を記念して金日成広場で行われた閲兵式で、隊員と観衆に答礼する金正恩朝鮮労働党総書記〈中央〉。朝鮮中央通信が配信した=朝鮮通信)

国民総所得は韓国の56分の1

北朝鮮の国営メディアは9月13日、新型の長距離巡航ミサイルの試射に成功したと伝えました。巡航ミサイルとは、翼とジェットエンジンで飛行機のように水平に飛ぶミサイルです。発射された巡航ミサイルは2時間6分かけて1500キロ先の標的に命中したそうです。北朝鮮から1500キロといえば、日本列島をほぼ射程におさめることになります。北朝鮮はすでに核爆弾を開発しており、ロケットのように高く打ち上げる弾道ミサイルの発射実験も頻繁にやってきました。

北朝鮮はとても貧しい国です。韓国銀行が発表した2020年の北朝鮮の国民総所得(GNI)は韓国の56分の1で、国民一人当たりGNIは韓国の27分の1です。世界でも極めて貧しい国の部類に入ります。しかし、世界でも保有国は少ない高性能のミサイルや核爆弾を持っています。北朝鮮は経済力と軍事力がとてもアンバランスな国です。北朝鮮がどうして「貧しい軍事大国」になったのか。その理由を知るためには、北朝鮮の歴史と地理の理解が必要です。

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