「後継者」恵まれている三重県の企業 「いない」「未定」全国最少

高田誠
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 三重県内企業で今年、後継者が見つからない「不在率」は3割程度で、全国都道府県で3年連続で最も後継者に恵まれていることが信用調査会社の調査で明らかになった。

 帝国データバンク四日市支店によると、県内の中小企業を中心とする全業種約3100社の後継者動向を調べたところ、後継者が「いない」「未定」と回答したのは945社で「不在率」は30・2%だった。

 全国平均は53・9%。最も高いのは鳥取県で71・5%、次は秋田県の70・0%だった。三重県は2018年の69・3%が近年のピーク(全国平均66・4%)だったが、21年の35・8%、22年の29・4%と3年連続で全国最低だった。

 事業継承の動向を見ると、23年の速報値で、身内の「同族承継」は40・2%で前年から10・5ポイント下がった。血縁関係によらない役員・社員を登用した内部昇格は32・2%で前年から4・5ポイント上がった。買収などの「M&Aほか」は19・6%で前年より2・1ポイント上がった。「徐々に『脱ファミリー』の動きも加速している」という。

 担当者は県内で後継者問題が解消してきた理由について「官民一体の支援が浸透、波及し、様々なニーズに対応可能なメニューがそろってきた」とする。そのうえで「中京と近畿の経済圏に接し、大手製造業などを頂点とする商流もある。取引先が固定している企業はスムーズに承継がしやすい」と分析している。(高田誠)

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