米大統領選、現在の情勢は 注目はトランプ氏裁判と無所属候補の影響

[PR]

 米大統領選が2024年11月5日に投開票される。再選を目指す民主党現職のジョー・バイデン大統領(80)に対し、共和党は年明けから候補者選びが本格化する。

共和党と民主党のそれぞれの現在の情勢を解説します。記事の後半では選挙戦のカギとなるトランプ氏の裁判による影響、もしバイデン氏対トランプ氏の再対決になった場合に想定されることについても説明しています。

 共和党の主な候補者は一時、10人を超えたが、すでに撤退を表明した候補者もいて、現在は8人が指名候補を争う構図になっている。

共和党はトランプ氏がリード

 世論調査で大きくリードするのは、いち早く立候補を表明したトランプ前大統領だ。20年の大統領選で敗れたが「選挙に不正があった」と根拠ない主張を続け、敗北を認めていない。

 出馬表明前から一貫して、共和党候補者のなかで最有力でありつづけている。熱烈な支持層が共和党に3割ほどいるとされる。バイデン政権が苦戦する移民問題で、トランプ氏は「メキシコ国境に壁をつくった」と実績を強調。都市部の治安悪化を民主党のリーダーの責任だと指摘する主張も支持者には受ける。

 トランプ氏は今年、四つの刑事事件で起訴されたが、「現政権は司法を政治的に武器化している」と主張している。選挙の痛手になるとの観測もあったが、メディアへの露出が増えて他の候補者をさらに引き離している。

 2番手以降は混戦だ。

さらに右寄りだった候補はいま

 トランプ氏の最大のライバルとして注目されたフロリダ州のロン・デサンティス知事(45)は、若さと州知事選を圧勝した実績から有力候補とみられてきた。

 トランプ氏よりも右寄りの政治的立場で、同州での厳しい中絶規制の導入など知事としての取り組みを列挙し、保守層を支持基盤とするトランプ氏を「左派に寄っている」と批判する。学校で性的少数者をめぐる教育をすることに「子どもたちへの洗脳をやめるべきだ」と訴える。

 今年序盤の世論調査では、共和党内の指名候補争いで約30%の支持を獲得し、トップのトランプ氏に十数ポイントまで迫っていた。ただ、出馬表明が今年5月と出遅れたことや、あまりの右傾化に大口献金者から懸念も出て、支持率は低迷。現在は党内で十数%まで落ち込む。

若手候補も

 インド系の女性政治家として…

この記事は有料記事です。残り2185文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

アメリカ大統領選挙2024

アメリカ大統領選挙2024

民主党のバイデン氏が2期目を狙う。共和党では復権に向けトランプがリード [もっと見る]