9月の自民党役員人事で、党四役の選挙対策委員長に就任した小渕優子氏にとって、22日に投開票日を迎えた衆参ダブル補選は「初陣」だった。2014年に「政治とカネ」の問題で経済産業相を辞任して以来、約9年ぶりに戻ってきた表舞台だったが、「選挙の顔」としても、陣営の仕切り役としても、役割を果たせなかった。
「岸田政権が新体制になって初めての大型選挙で、絶対に負けられない。何が何でも最後の最後まで戦って戦って戦って、必ず勝ち抜いてまいりたい」
今月5日、参院徳島・高知選挙区補選の告示日。小渕氏は、徳島市の党県連前で約100人の聴衆を前に壇上から声を張り上げた。
岸田首相が「選挙の顔」として選対委員長に起用したのは、小渕氏が元首相の恵三氏を父に持ち、全国的な知名度を誇るからだ。
小渕氏がこの日の演説で引き合いに出したのも、恵三氏とのエピソードだった。幼少時代に恵三氏に連れられ、徳島の夏の風物詩である阿波踊りに訪れたことを紹介し、「仕事が忙しかった父が、やっと作ってくれた家族の時間。小さかったが、徳島に来るとあのときのことを思い出す」と話した。
「選挙の顔」と言えば、こうした街頭演説での集客やテレビ出演でのアピールが思い浮かぶが、その後の小渕氏の活動はそれとはほど遠かった。とりわけ、衆院長崎4区補選では、有権者の前に姿を現さない隠密行動が目立った。
同補選は参院補選同様に、与…
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