全国棚田サミット、11月に那智勝浦で開催 色川地域で交流も

勝部真一
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 棚田の保全や地域活性化への活用などについて考える「全国棚田(千枚田サミット」が11月18、19の両日、和歌山県那智勝浦町で開かれる。昨年、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定された同町の「色川の棚田群」の取り組みなどが紹介される。

 市町村などでつくる全国棚田(千枚田)連絡協議会の主催。1995年、高知県で初めて開催され、新型コロナウイルス禍で延期、中止となった2020、21年を除き、毎年開かれている。全国から棚田の保全に取り組む関係者が集まり、講演や分科会などで棚田の多面的機能や魅力を再確認し、担い手不足などの課題も話し合う。県内で開催されるのは「あらぎ島」のある有田川町で開かれた13年以来2度目。

 今回は「棚田を囲む暮らしを共に ~ここにしかない縁がある 来たれ耕す人」をテーマに、那智勝浦町体育文化会館や色川の棚田などで開催。棚田の関係者らが参加する予定。事例発表として色川地域で活動する「棚田を守ろう会」のメンバーが「想像力をつなぐ棚田、私たちは今」と題して活動を報告する。また、移住を考えている人や棚田の未来を考えていきたい人らを対象にした色川地域での交流会も予定されている。

 「つなぐ棚田遺産」は、1999年7月に134地区が認定された「日本の棚田百選」から20年以上経過していることなどから、改めて地域の振興に取り組んでいる優良な棚田を農林水産相が認定する取り組み。市町村から推薦された棚田から昨年2月、国の選定委員会が271地区を選定した。県内では「百選」に認定されていた「あらぎ島」を始め8地区が選ばれた。

 紀南地方で唯一選ばれた「色川の棚田群」は同町色川地域に広がる棚田で、面積は計31ヘクタール。40年以上前から移住に力を入れてきた地域で、多様な人材を受け入れ、地域一体となって保全・活用に取り組んでいる。「棚田を守ろう会」の峯茂喜会長は「棚田は色川地区に移住する人たちが地元の人たちとなじむ場にもなっている。認定やサミットが多くの人たちに関心を持ってもらうきっかけになればうれしい」と話している。(勝部真一)

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