瀬戸大橋挟む本四備讃線で避難訓練 JR四国と西日本の連携5年ぶり

福家司
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 本州と四国を結ぶ瀬戸大橋を挟んだJR本四備讃線で22日未明、車両故障を想定した乗客の避難誘導訓練があった。同線の列車運行を担当するJR四国JR西日本の連携、協力体制を確認するため5年ぶりに実施され、両社などから約140人が参加した。

 JR四国のディーゼル特急列車が児島駅(岡山県倉敷市)を発車して宇多津駅(香川県宇多津町)方面に向かった後、瀬戸大橋の手前で故障のため走行できなくなったと想定。乗客役の両社の社員20人はドアに設置したはしごを使って線路上に降り、約100メートル歩いて沿線の変電所に避難した。さらに、動けなくなったディーゼル車を引き揚げるため、児島駅から快速マリンライナーの電車を使った救援列車が運転され、ディーゼル車を連結して児島駅に戻った。

 訓練では救援列車の到着が30分以上遅れた。JR四国の坂中真文・安全推進室副室長は「今回の訓練で見えた課題を一つずつクリアし、JR西日本との連携を普段から密にして、万が一のときには協力してお客様の安全を守っていきたい」と話した。

 JR西日本中国統括本部安全推進部の升本隆士課長は「実際には今回の訓練よりもっと厳しい条件の中で車両故障が起きる可能性もあるので、悪条件を考慮した訓練のやり方も工夫する必要があると思う」と話していた。

 両社の合同訓練は、瀬戸大橋上で相次いだ列車の立ち往生を背景に結ばれた、異常時の旅客の救助に関する覚書に基づいて実施された。2018年以来で6回目。(福家司)

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