大人に反抗したけれど…元Whiteberryボーカルと「夏祭り」

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原知恵子
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 2000年にカバーした「夏祭り」で一世を風靡(ふうび)したガールズバンド・Whiteberry=解散=。ボーカルだった前田有嬉さん(37)にとって、バンドメンバーと過ごした10代の日々は「宝物」。当時は大人に反抗もしたけれど、今では感謝しているといいます。北海道北見市にUターンして結婚、今夏には第2子を出産した前田さんに「あの頃」の思い出や今の10代に伝えたいことを聞きました。

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 ――夏になると、歌番組の「夏うた」特集や街角のBGMなどあちこちから「夏祭り」が聞こえてきます。コロナ禍の制限が落ち着いた今年は、お祭り会場や高校野球の応援席で響く機会も増えそうです。

 「この曲、すごくない!?」って、まるで人ごとのように驚いています(笑) 「JITTERIN’JINN」さんが発表して30年以上、私たちホワイトベリーがカバーしてからも20年以上経っているのに。当時はこんな未来が来ることは想像もしていませんでした。

 盛り上がるだけでなく、切なさもある。破矢ジンタさんによる楽曲や歌詞が元々すごいのもあるんですけど、私たちホワイトベリーが新たに作り出したイメージもあると思っていて、それは誇りに思っています。

 ――ホワイトベリーのミュージックビデオ(MV)では浴衣をミニ丈やブーツなどで着崩す奇抜なスタイルでかっこよく演奏する姿が印象的でした。今みると「平成っぽいな」と時代の空気も感じます。

 当時、5人のメンバーは中3と高1。10代だった私たちは、ただ「楽しい!」「ハッピー!」だけではなくて、いろんな複雑な感情を抱きながら必死に走っていました。あのMVには、打ち上げ花火のような10代の弾けた感じと複雑な心情、5人の「あの頃」が詰まっているなと私は思ってます。

 冒頭で私が立っている川、線路、廃校のグラウンド……。撮影は北見。地元だから、5人の飾らない感じ、らしさが出たのかなと。衣装は、詳しくは忘れたんですけど会議があって、私たちも意見を出して、「浴衣をそういう風に着たい」と言った気がします。

 今テレビの歌番組で不意に自分たちのMVが流れてきたら恥ずかしいですけど、世代を超えて愛されているのは本当にうれしいです。

後半では、デビューのきっかけ、楽曲作りの舞台裏、大人たちとの関係、解散までの経緯……。10代の頃を振り返っていただきました。

転機はテレビ番組「投稿!特ホウ王国」

 ――そもそも、東京から1千…

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