派閥旗揚げ、志位氏とうどん…剛腕・小沢氏、運命の「王国」防衛戦へ

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小泉浩樹 杉村和将 木佐貫将司
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 2度の政権交代を実現させ、「剛腕」の異名を持つ立憲民主党小沢一郎氏(81)。2021年の衆院選では初の比例復活に甘んじ、存在感低下が指摘されるなか、「最後」の政治決戦に向けて動き始めた。その試金石となるのが、最側近が5選に挑む岩手県知事選(8月17日告示、9月3日投開票)だ。

 6月4日、岩手県陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園。49年ぶりに地元・岩手で開かれた全国植樹祭の式典に出席した小沢氏は、2カ月後に迫った知事選告示をにらみ、同席した達増(たっそ)拓也知事(59)につぶやくように声をかけた。「相手は女性候補なんだ。油断できない戦いだぞ」

 過去4回の知事選で、達増氏は1度の無投票を除いていずれも2位に倍以上の得票で圧勝してきた。たった一言だったが、「小沢さんから聞いたことがないような言葉」(地元関係者)。小沢氏の焦りがにじみ出るには十分だった。達増氏が「地元の野党と(選挙協力の話を)じっくりやれています」と報告すると、小沢氏はうなずいた。

 その「女性候補」とは、知名度が高い元民放アナウンサーで前県議の千葉絢子(じゅんこ)氏(45)。達増氏同様、無所属での立候補を表明しているが、自民党県連が全面的に支援するため、事実上の与野党対決の構図となる。

 昨年の参院選岩手選挙区では、小沢氏や達増氏の元秘書でもある現職の木戸口英司氏(立憲)が、新顔の広瀬めぐみ氏(自民)に敗れ、30年ぶりに議席を明け渡している。今回の知事選も「激戦」(立憲幹部)との評が伝わっており、小沢氏は周囲に「(自身に近い)野党系知事は岩手と沖縄だけだ。なんとかしないといけない」と語る。

これまで盤石な勝利を収めてきた岩手知事選が、かつてない「激戦」と評されています。小沢氏が長年築き上げてきた「王国」を死守できるのか。「剛腕」の狙いは何か。最新の動向を取材しました。

 衆院現職最多の当選18回を…

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