四国初、19歳のタクシー運転手誕生 なり手不足の解消へ、期待の星

福家司
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 四国で初となる19歳のタクシー運転手が6月に香川県三木町で誕生した。国が昨年、運転手に必要な第2種運転免許の受験資格を見直し、これまでより2歳若く最短で19歳で運転手になれる制度を導入したことを受けたもので、深刻な運転手不足を解決する一助となる可能性を秘めている。

 同町の三木タクシーの新人運転手、大森喬介さん(19)。同社の冨田憲治社長の妻が経営している町内の音楽スタジオを客として訪れたことが縁で入社。特別教習などを経て、2種免許の試験に合格し、6月から乗務を始めた。地元の高齢者の通院や買い物の利用が多いといい、「まだ道を間違えることもありますが、お客さんとの会話は楽しく、孫のようにかわいがってくれる。自分をきっかけに若い仲間が増えればうれしい」と話す。

 同社では2年前、冨田社長の息子で専務の自然(あるが)さん(22)が21歳で運転手となったが、それでも14人の運転手のうち、60代以上が6人を占め、運転手の高齢化が進んでいる。

 県タクシー協同組合の副理事長も務める冨田社長は「高齢者は貴重な戦力だが、それだけでは業界の未来はない。特にコロナ禍で仕事が減ったとき、若い運転手は入社してもトラック運転手に転職してしまう傾向があった。業界で県内の全高校の卒業生に運転手を募集するシステムを作りたい」と意欲を見せる。

 国は、年齢制限が18歳以上の普通運転免許の取得から3年以上必要だった2種免の受験資格を、特別教習の修了を条件に1年以上に短縮した。

 四国運輸局によると、コロナ禍が始まった2020年3月に1604人だった香川県内のタクシー運転手は今年3月末には1443人に減っている。(福家司)

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