元サッカー選手3人「ジェンダーきっかけに一人一人の違い考えて」

杉江隼
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 【千葉】生まれた時にあてがわれた性と自認する性が違うトランスジェンダーの3人組ユーチューバー「ミュータントウェーブ。」の講演が八千代市で開かれた。子どもから高齢者まで100人以上が参加し、性の多様性を学んだ。

 「ミュータントウェーブ。」は全員が性別適合手術を受け、今は男性として生きている。3人とも元なでしこリーグ女子サッカー選手だった。

 メンバーの大嶋悠生さん(35)は自らを「ポップなジェンダリスト」と呼ぶ。トランスジェンダーを理由に就職の内定を取り消された過去があるといい、「世の中には差別がある。楽しみながら、真剣に聞いてほしい」と思いを明かす場面もあった。

 24日の講演では、性別適合手術や生理用品の話などさまざまな質問があった。市内の中学校でPTA会長を務める森千恵子さん(43)は「ジェンダーレス制服」について尋ねた。

 大嶋さんは「制服を統一するのは無難で大人はしがちだけど、スラックスじゃなくて、学ランを着たかった。(制服も)選びたい」と語った。

 「ミュータントウェーブ。」は「ジェンダーをきっかけに一人一人の違いを考えてもらいたい」と、保育園児や大学生、教員、企業の社員を対象に講演してきた。

 主催した八千代市の職員小杉直子さん(53)は「いろんな人がいて当たり前。そういう人たちが生きやすいのは、みんなが生きやすい世の中」と話した。今後もLGBTQ+(性的少数者)に関する企画や発信をしていくという。

 市によると、2021~24年度の「第2次やちよ男女共同参画プラン」で「多様な性の尊重」を掲げていることや、市内在住のトランスジェンダーから直接話を聞く機会があり、今回の講演を開催することになったという。(杉江隼)

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