御殿場、コシヒカリ「だけじゃない」 企業が日本酒を知事へ手渡す

青山祥子
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 【静岡】コシヒカリ「だけじゃない」御殿場の魅力発信へ――。御殿場市を拠点に飲食事業を展開する企業が、御殿場市産のコシヒカリを使った日本酒づくりに挑戦。勝又正美・御殿場市長らが12日、県庁を訪れ、新酒を川勝平太知事に贈った。

 前御殿場市長が立候補した2021年の参院補選では、知事が対立候補の応援演説で「(御殿場には)コシヒカリしかない」などと発言。県議会で辞職勧告決議が可決される問題となった。

 地元産のコシヒカリを富士山の伏流水で仕込んだ日本酒を手がけたのは「つぼぐちフードサービス」(御殿場市)。坪口栄二社長は「さっぱりと飲みやすく仕上がった。米農家の高齢化で地元でも休耕田が増えている。日本酒づくりでおいしいお米を生産する農家を支えたい」と説明。今回は長野県の酒蔵に御殿場の米と水を持ち込んで製造したが、来年秋には自社の酒蔵が御殿場市に完成予定だ。

 地元の神社にまつられる「コノハナサクヤヒメ」にちなんで、「さくや雪解(ゆきげ)」と命名。勝又市長と坪口社長は「おかげさまで御殿場のコシヒカリが全国で話題になった。日本酒も応援していただきたい」と、御殿場市産コシヒカリと一緒に手渡した。知事は「出張帰りの新幹線の車内で1杯やりたい」などと笑顔で応じ、日本酒談議に花を咲かせた。コシヒカリ騒動もこれで雪解けとなるか。

 「さくや雪解」は限定900本で4月に発売。720ミリリットル入りで2200円。直営店などで取り扱っている。問い合わせはカスタマーセンター(0550・80・1122)へ。(青山祥子)

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