仏作家が沖縄で巨大な地上絵 G7サミット前に「分断止めたい」

渡辺丘
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 世界各地で巨大な地上絵を描き、平和のメッセージを発信しているフランスのアーティスト、SAYPE(セイープ)さん(34)が沖縄県糸満市の県平和祈念公園で作品を制作した。25日に完成し、公開された。

 ランドスケープアーティストとして世界に知られるSAYPEさんは、手と手をつなぐ「Beyond Walls(壁を越えて)」という作品で注目されている。日本の主催団体「UNITED VOICES PROJECT」によると、2019年のパリから始まり、ドイツベルリンやトルコのイスタンブールなど世界16カ所で描いてきた。日本での制作は初めて。紛争や災害などの困難を人々の連帯で乗り越えた場所を選んできたという。

 5月19日からのG7広島サミットを前に、沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園に横約200メートル、縦約20メートルの地上絵を完成させた。水に混ぜたチョークや木炭でできた塗料を吹き付けており、2週間程度で消えるという。今後、長崎や東京などでも制作を予定している。

 SAYPEさんは「沖縄という特別な場所で優しい人々に出会った。世界にはさまざまな問題があるが、作品を通じて人々をつなげたい」。主催団体代表の桜井祐子弁護士はロシアのウクライナ侵攻や米中対立などを例に挙げ、「分断を本気で止めたい」と話した。(渡辺丘)

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