麻生久美子さん、心と体の移ろい見つめ「頑張りすぎないほうがいい」

エイジンググレイスフリー

ライター・安田晴美
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 正統派の美女からコミカルな個性派女子まで、さまざまな人物像を軽やかに演じる俳優・麻生久美子さん。4月から始まるテレビドラマでは吸血鬼の美魔女に扮し、また新しい魅力を見せてくれそうです。仕事も家庭も大事にしながら、軽やかに日々を楽しむ彼女。日常の中にある“幸せ”が心の糧になっているようです。

「人生100年時代」が近づく中、50歳はちょうど中間地点です。変わるカラダ、働き方、家族との関係……。朝日新聞と、宝島社の女性誌「GLOW」の共同プロジェクト「Aging Gracefully」(エイジング グレイスフリー)は、家庭や職場、地域で大事な役割を担うミドルエイジの女性たちの「いま」と「これから」を見つめ、自分らしく年齢を重ねていくことを応援します。

今度の役は「吸血鬼」 多様性の時代に

 麻生久美子さんの最新出演作は、テレビ朝日系で4月18日スタートの連続ドラマ「unknown」。吸血鬼で週刊誌記者の闇原こころと、秘密を抱える警察官・朝田虎松の夫婦を巡るラブサスペンスで、麻生さんはこころの母で人気キャスターの美魔女、闇原伊織を演じます。主演は高畑充希さんと田中圭さん。麻生さんの夫役に吉田鋼太郎さんと、キャストも豪華。脚本を「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)の徳尾浩司さんが手掛けると聞けば、期待せずにはいられません。

 「子どもの頃からホラーやゾンビ映画が大好きだったので、吸血鬼役を演じるのがすごく楽しみなんです。だけど、現代を生きているので、不老不死でもないし、空も飛べないし、血はネット通販で買っているので人間は襲いません(笑)。思い描いていたイメージとはちょっと違いますが、それでもどこか吸血鬼らしさを生かした役作りができたら。国民的人気キャスターでありながらK―POPグループの推し活に励むなど、おちゃめでポップなキャラクターなので、テンションを上げて臨んでいます。キャストもお芝居が好きな方たちばかりなので、演技合戦が楽しいですね。吸血鬼は未知なる存在の象徴で、多様性の時代にお互いの違いをどう受け入れるかという問題をサスペンスとともに描いているので、大人にも見応えがあるはず。絶対に面白いドラマになると確信しています」

 仕事で順調にキャリアを積み重ねて年齢とともに充実していく一方、体調面では気になることが増えてきたと明かします。更年期に入るにはもう少し間がありそうですが、今から情報収集したり、周りの先輩たちから話を聞いたり、心の準備をしているようです。

 「40歳を過ぎると体調が不安定になりやすいとは聞いてはいましたが、倦怠(けんたい)感や痛みが出て、年齢とともに着実に体が変わってきているなと実感しています。以前は何日かすると治っていたものもそのまま定着してしまって、不調を抱えた状態が当たり前になってしまうのかな、とさえ思います。加齢のせいなのでしょうけれど、原因がよくわからないまま、『季節の変わり目だからかな』と言って自分を納得させることも。まだ更年期の症状ではなさそうですが、誰にでも訪れることなので心しておこうと思っています」

 これから先の人生を楽しく元気に過ごすために、「一番大切なのは健康」と断言。そのためにこだわっているのが「体の中からきれいになること」。ベースとなる体の内部によどみがなく、常に清浄で軽やかであれば、結果的に透明感のある肌や美しいたたずまいも保たれるでしょう。

 「脂っこいものや体質に合わない食材を控えたり、良質なゴマ油を使ったり、食事はなるべく体にいいものをとるように心がけています。定期的に行っている酵素ジュースを使ったファスティング(断食)もデトックス効果が高いですね。3日目の夕方あたりから脂肪が燃焼し始めるので、いつも5日間ほど実践しています。先日、久しぶりにジャイロトニックで背骨を動かしたら本当に気持ちがよかったんです。これからは意識的に運動を取り入れて、体を整えていきたいです」

一人で過ごす時間の気分転換は

 季節が移り変わっていくように、体はもちろん、心も変化していくのが自然の流れ。さまざまな役割を果たす中では、ちょっとしたことで心が揺らいだり、不安を感じたりすることもあります。そんなときにはむしろ、「頑張りすぎないほうがいい」と麻生さん。

 「誰にでも、いろいろな事情があって、ポジティブでいられない日がありますよね。そういうときは無理に自分を鼓舞しなくてもいいんじゃないかと、最近よく感じます。気持ちがブレそうになったら、ふと立ち止まって、家族や大切な人たちが元気で、仕事ができて、なにごともなく生活できているのは恵まれているな、と今の幸せを考えてみる。それだけでも、結果的にはポジティブな気持ちにつながっていく気がします。すごく疲れていたり、あまりに調子が悪かったりするときは、気圧のせいとかにしてやり過ごすことも。それに、なにごとも我慢しすぎるのはよくないですから、言いたいことや自分の気持ちはできるだけ周りに伝えるようにしています。大人はときとして自分を押し込めないといけないこともあるけど、すべてを一人で背負わなくてもいいと思います。頑張れそうにないときは、素直に人のお世話になるのも大切」

 そんな麻生さんにとって気分転換は、子どもたちが寝た後に一人で過ごす時間。ここしばらくは韓国ドラマにハマっているそうで、お気に入りの作品を見ながらワクワクしたり、ドキッとしたりする楽しみな時間に。

 「話数が多い作品だと、物語の世界にずっと浸っていられて幸せです。だから、常に見続けられるものを用意しておくのがいいのかなと思っています。主人公に感情移入したり、展開にハラハラしたりするのがいい刺激になっているのかも。周りには推し活をしている人も多いですが、すごく元気で充実している様子を見ると、大人こそトキメキが大事だなと感じます。趣味でも推し活でもなんでも、好きなことをして幸せな気持ちになれる時間を軸にしていくと、いろんな変化とも気持ちよくつきあっていけるのかもしれません」(ライター・安田晴美)

麻生久美子さん 略歴

 1978年6月生まれ。千葉県出身。95年に映画デビューし、98年公開の「カンゾー先生」で数々の映画賞を獲得。2006年に始まったドラマシリーズ「時効警察」(テレビ朝日系)ではコメディーに挑み、新境地を開拓。09、10年上演の「マレーヒルの幻影」など舞台作品にも出演。近作に、21、22年にNHKで放送されたテレビドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」シリーズ、今年3月公開の映画「有り、触れた、未来」など。4月18日から放送の連続ドラマ「unknown」(テレビ朝日系、火曜夜9時)に出演。プライベートでは2児の母。

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