俳人の黒田杏子さん死去、代表句「白葱のひかりの棒をいま刻む」

 俳人でエッセイストの黒田杏子(くろだ・ももこ)さんが13日、脳内出血のため死去した。84歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は夫勝雄さん。

 大学時代に山口青邨に師事。卒業後は広告会社の博報堂に入社して「広告」編集長などを務め、60歳の定年まで在職した。一方で、俳人としては1982年に第1句集「木の椅子」で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞を受賞。90年に俳誌「藍生(あおい)」を創刊して主宰に。2011年、第5句集「日光月光」で蛇笏賞を受賞した。代表句に「白葱(ねぎ)のひかりの棒をいま刻む」「ねぶた来る闇の記憶の無尽蔵」など。

 戦後を代表する俳人で朝日俳壇の選者を長く務めた金子兜太の俳句論や戦争体験の「聞き手」として、「存在者 金子兜太」などの編著書を刊行。日経俳壇選者のほか、全国各地の俳句大会で選者を務めた。著名な俳人へのインタビュー集「証言・昭和の俳句」も著した。

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