ライオン2頭がコロナ感染後に死ぬ 和歌山のアドベンチャーワールド

勝部真一 竹野内崇宏
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 和歌山県白浜町アドベンチャーワールドは9日、飼育していたライオン2頭が1月に新型コロナウイルスに感染して死んだと発表した。

 同園によると、園内で飼育していたライオン23頭のうち1月9日に19歳のオス、同12日に21歳のメスが死んで、死後の検査でコロナ感染が判明した。ほかにもせきなどの症状がみられたライオンがいたため、全頭に検査を実施し結果を待っている。

 同時期にライオンの飼育担当者が新型コロナに感染していたことから、園は担当者からライオンに感染したとみている。死んだ2頭は高齢で、感染後に肺炎を発症したとみられるという。園は、動物たちの状態を観察し、感染予防対策を徹底するとしている。

 国内の動物園や水族館でつくる日本動物園水族館協会によると、アメリカの動物園などでマレートラやゴリラなどの感染が確認されているが、国内の動物園から感染の報告があったのは初めてという。協会は「アドベンチャーワールドは飼育員が感染していたので、しっかり調べたのだと思う。動物園の今後の感染対策を考えるにあたり、事例が報告されたことはよかったと思う」とした。(勝部真一)

新型コロナに感染しやすいネコ科動物

 ネコ科の動物はペットとなるイエネコを含めて、他の動物と比べても新型コロナウイルスに感染しやすいことで知られる。

 人間同士が感染するときと同じように、接触感染や飛沫(ひまつ)、より細かなしぶきによる「エアロゾル感染」などでヒトとネコ、またネコ同士の感染も起きていると考えられている。

 国内の動物園では、トラやライオンなど絶滅危惧種のネコ科動物を飼育することも多い。展示する際は、来園者が動物から距離をとるような対策もとられている。

 実際に発症した飼いネコを診療し、論文にまとめた北海道中標津町の山田恭嗣・獣医師は「新型コロナウイルスは感染力が強く、感受性の高いネコ科の動物にヒトから感染させてしまう恐れがある。動物を守る上でも、社会での感染をできるだけ抑えて、動物園の対策にも協力する必要がある」と話す。(竹野内崇宏)

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