はだか祭り、3年ぶり復活 裸男のもみ合いも、感染予防に注意喚起

荻野好弘
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 「はだか祭」として知られる儺追(なおい)神事が3日、愛知県稲沢市の尾張大国霊(おおくにたま)神社(国府宮)で開かれる。コロナ禍で中止が続いた裸男のもみ合いがあり、文字どおりのはだか祭が3年ぶりに復活する。不用意に感染が拡大しないよう、神社は注意喚起をする。

 はだか祭は、主役の神男(しんおとこ)に触れて厄を落とそうと、大勢の下帯姿の裸男が境内で激しくもみ合う。

 1月23日の神男選定式で、山脇敏夫宮司(75)は「稲沢市民や近隣の方々の熱い心のもとに、今年はやろうと決定した。ある程度の感染はあるかもしれないが、とどまっていては何もできない」と話した。

 国府宮は一般参拝者を含めた祭り開催のガイドラインを公表した。裸男については参加条件を県内在住か在勤者のみとし、ワクチン接種や禁酒、当日の検温やマスク着用を求めている。

 裸男は厄よけのササ奉納にも参加するが、もみ合い中は打ち水が浴びせられ、マスクがぬれて息苦しくなる恐れがある。国府宮の広報担当者は「安全を優先し、マスク着用は自己判断に任せたい」と話す。

 「もみ合いではマスクを着けるべきではない」と呼びかけるのは、愛知県立大学看護学部の清水宣明教授(感染制御学)だ。

 人が密集して激しく動くような状況では、マスクはずれてしまい意味をなさないうえに、汗と水でぬれたマスクで窒息する危険性があると指摘する。

 5月から新型コロナウイルスの感染症法上の分類は季節性インフルエンザと同じレベルに移行する。こうした中でのもみ合い開催に清水教授は理解を示し、「もみ合いに参加するまでに感染しないように心がけ、事後には他人にうつす行動を避けることが感染者を増幅させないために重要だ」と話す。

 国府宮によると、近年は8千~9千人の裸男たちがグループごとにササを奉納し、その一部がもみ合いにも参加している。今年の奉納の事前登録は約2200人。もみあい参加者も減りそうだという。

 神男経験者の山田典永さん(54)は、もみくちゃにされる神男を儺追殿に引き上げる役割を担うという。「裸男が多かろうが少なかろうが、祭りを盛り上げ無事にやり遂げたい」(荻野好弘)

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