米投資ファンドが大阪に初進出へ 「国際金融都市」誘致第一号

箱谷真司
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 米投資ファンド・ベインキャピタルの日本法人が2月、大阪・梅田の複合施設「グランフロント大阪」に拠点を設ける。金融取引が盛んな「国際金融都市」を目指す大阪府は、大阪市などとともに2025年度までに外資系金融企業を30社誘致する計画で、今回が1社目の進出となる。

 ベインは05年から日本国内で活動し、これまでにスタートアップも含めて約30社に投資してきた。大阪には技術力の高い企業が多く、海外進出などに伸びしろがあると判断し、拠点開設を決めた。国内では東京に次いで2拠点目となる。

 大阪ではすでにドラッグストアチェーンの「キリン堂」など2社に出資し、経営再建も進めている。今後は小売りや健康・医療関連の企業に投資を増やしたい考えだ。

 5日に吉村洋文知事と面会した、ベイン日本法人の杉本勇次代表は「外からはこう見えるというアドバイスをして、(海外市場などに目を向ける)オープンマインドになって成長する良い循環をつくれれば」と話した。

 一方、世界ではニューヨークやロンドンが国際金融都市の地位を固め、国内でも東京や福岡が国際金融都市を目指す。吉村知事も「国際金融都市は一朝一夕にはできない」と述べるなど、どこまで企業誘致が進むかは不透明だ。今後、府は法人税の減税などを進めて他都市との差別化を図る方針だ。箱谷真司

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