心躍る「おまけ」展示 江戸から現在まで、ルーツは富山の売薬さん

伊藤稔
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 子どもたちが胸を躍らせた「おまけ」。そのルーツといわれる富山の売薬さんが配ったおまけなどを時代を追って紹介する企画展「オマケ とやま販促物語」が富山市郷土博物館(富山市本丸)で開かれている。来年2月5日まで。

 江戸時代後期、売薬さんが得意先への進物として配布したのが「売薬版画」だった。当初は江戸で制作された浮世絵を使い、その後、印刷技術が進んでいた富山で刷られるようになった。おまけだけに色使いは少なめで紙も小さかったが、得意先には喜ばれた。天竺(てんじく、インド)から来た象が描かれた絵は、象を知らなかった地方の人にとってメディアの役割を果たしたとされる。江戸時代のカレンダー「大小暦」や、「すいかと天ぷら」など一緒に食べてはいけないとされた「食い合わせ図」といった実用的なおまけも紹介されている。

 会場ではこのほか、雑誌の正月号に付いてきた双六(すごろく)や喫茶店で配っていたマッチ、銀行の販促品だった貯金箱仮面ライダースナックのカードやビックリマンチョコのシールなど昭和時代の懐かしいおまけも展示されている。

 同館の中本八穂主幹学芸員(51)は「富山のおまけは得意先との話のネタになり、コミュニケーションツールだった。時代の流れでおまけが変わっていく様子をみてほしい」と話していた。観覧料は大人210円、高校生以下無料。休館日は28日~1月4日。(伊藤稔)

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