第19回辻元清美氏の自戒「策を使いすぎると」 政権交代、過去の栄光捨てて

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野党サバイバル 第1党の生きざま④ 辻元清美氏に聞く

 「へこたれへん」を合言葉に、今夏の参院選で国政復帰を果たした立憲民主党の辻元清美参院議員。その立憲は今、追及一辺倒のあり方に迷いを隠さず、敵対してきた日本維新の会との「共闘」に踏み切った。野党第1党は、どこへ向かうべきなのか。

 ――昨年の衆院選で敗れ、国政復帰までの数カ月間、外から立憲を見て感じたことはありますか。

 「立憲ができた時は『ボトムアップの政治』を目指していたけど、党全体の立ち位置がこのままでは変わってしまうのではないかと」

 ――衆院選後に代表に就任した泉健太代表は、党のあり方として「政策提案型」か「追及型」か迷いを見せていました。

 「やっぱり野党は戦う姿勢をなくしたら政権なんか取れっこない。野党時代の自民党は徹底的に民主党政権を攻撃して政権を取り戻した。国会を開かない以上、『野党ヒアリング』でガンガンやらんかったらニュースにもならんし、存在価値がなくなるやんか、とのもどかしさもありました」

野党サバイバル 巨大与党との向き合い方

野党第1党のあり方に注目が集まっている。その針路は政治に緊張感をもたらすことも、また政治不信を招くことにもつながりかねない。野党第1党の役割とは何か。臨時国会を前に、党運営から距離を置く「野党内野党」の実力者たちに話を聞いた。

 ――立憲と維新は、臨時国会での「共闘」に合意しました。両党は長年、対立関係にありましたが、どう評価していますか。

 「正直、地元の支持者からは『どうなっとんねん』とか、『もう応援せーへんぞ』とか厳しい声も入っています。私も、大阪的にいえば、『維新とグータッチすなよ』と思わざるを得ないけど、国会対策的には、野党第1党としての立憲のパワーアップになるという判断でしょう。あくまで限定的な『共闘』だと思います」

 ――政権と対峙(たいじ)する国会対策として考えれば仕方ないということですか。

 「政治の現場で結果が求められるのは、国会対策と選挙対策だと思います。国会対策委員長は、国会での戦術、論戦の土台をつくる。争点のなさそうに見えるところにも大事な争点を見いだす。政治的な課題を洗い出しながら、どこを集中的に議論していくか。野党間の協力関係をつくりながら与党と対峙する仕事です」

 ――昨年の衆院選で維新候補…

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2022年10月2日19時1分 投稿
    【視点】

    「野党は批判ばかり」を気にしすぎた立憲の押しの弱さと、その結果として生じた埋没感。衆院選で維新とぶつかりながら、しぶとく当選を重ねてきた辻元氏が昨年の衆院選で敗れたのは、象徴的な出来事でした。 それでも、インタビューで維新との「共闘」

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