愛知県知事もトヨタも「ウィンウィン」 古本氏を副知事起用の裏事情

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岡本智
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 前衆院議員でトヨタ自動車社員の古本伸一郎氏が4月、愛知県副知事に就任する見通しだ。労働組合の組織内議員として6期を務めたが、昨年10月の衆院解散当日に不出馬を表明。政財界を驚かせた。そんな「渦中の人」の要職起用には、大村秀章知事とトヨタ側、それぞれの思惑が透ける。

 古本氏は昨年10月の不出馬を表明した会見で、カーボンニュートラル(脱炭素)などの課題に「労使一丸」で対応するためとし、「(与野党の)対立構造を私で終わりにする」と説明。「自ら決断した」と強調していた。

古本氏の処遇が焦点に

 ただ、関係者の間では「古本氏は会社と労組におろされた」(トヨタ労組元幹部)との見方が支配的で、その処遇が焦点となっていた。別の労組関係者は「国会議員を18年務めた古本氏が戻っても、会社にも労組にも適切なポストがない」と指摘する。

 このため、県政界では「おひざ元の豊田市長に収まるのでは」との臆測が広がった。一方、次の市長選まではまだ2年ほどあり、「社員、OBを議員に出しても首長を出すのには慎重。何をやってもトヨタのせいだとやられる」(同社と関係が深い自民元国会議員)と、疑問視する声も強かった。

大村氏が極秘裏に打診

 そうした事情に敏感に反応し…

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