安藤和津さんが夜中に煮るジャム 13年間のうつ状態を経て思う幸せ

有料記事人生100年

聞き手・松本紗知
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 生きていくうえで、日々直面する「悩みごと」「困りごと」。困難を乗り切り、人生を豊かに過ごすためには、どんな心構えが必要なのでしょうか。自身もさまざまな悩みに向き合ってきた、エッセイスト・コメンテーターの安藤和津さん(74)に聞きました。

 あんどう・かづ 1948年東京生まれ。エッセイスト、コメンテーターとして、テレビやラジオなど多数の番組に出演し、介護や教育をテーマにした講演活動も。著書に『オムツをはいたママ』(グラフ社)、『“介護後”うつ~「透明な箱」脱出までの13年間~』(光文社)など。夫は俳優・映画監督の奥田瑛二さん、長女は映画監督の安藤桃子さん、次女は俳優の安藤サクラさん。

 ――まずは、安藤さんが直面してきた悩みごと、困りごとについて聞かせてください。

 日々、悩みごと、困りごとの積み重ねではありますね。相変わらず(笑)。

 ――では、今まさに困っていることは。

 老化現象による、身体のあちこちの不都合です。指の関節が痛いとか、白髪がまた増えたとか、顔がたるんできたな、とか。

 小さなことはたくさんあります。日々、困りごと、悩みごとに直面するのが人生だと思います。

 昔は、何か困ったことが起きるたびに、どうしたらいいの? わーんって泣いてたんです。でも、泣いたり悩んだりしたって、何も解決しない。悩みごと、困りごとは、自分で解決するっきゃない、と思うようになりました。

 ――これまでを振り返って、一番悩んだ、困った、と思う時期は。

 一つは思春期から結婚するまで。自分の思い通りにしようとする母親のコントロールがきつかったこと。そして結婚後は、うちの夫の亭主関白ぶり(笑)。そして、母の介護に、映画作りに没頭する夫の大借金……。

 自分の悩みごとはさておいて、まず家族が抱える大きな困りごとを解決しなきゃいけなかった。大変と感じる間もなく、無我夢中で日々を乗り越えてきました。

 ――お母さまの介護、そして介護うつ、介護後うつの体験を、著書や講演などで発信しています。それほど追い詰められたのは、なぜだったと思いますか。

 肉体疲労の限界を超えたこと…

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