静岡県、「まん延防止等重点措置」適用要請へ 感染者、初の1千人超

オミクロン株

中村純 黒田壮吉
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 新型コロナウイルスの感染者急増を受け、静岡県は20日、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する方針を決めた。県全域に適用し、飲食店には時短要請し、県と浜松市の認証店は酒類提供を店側が選べる方向で調整する。同日、県内の新規感染者は1050人確認され、過去最多を2日連続で更新した。

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 県内の直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は121人。重症患者は1人と少ないものの、病床使用率は24・3%と上がり続けている。県は18日に厳重警戒を呼びかけたが、感染拡大のペースが緩まず、病床逼迫(ひっぱく)を防ぐために強い措置が必要と判断した。

 県に重点措置が適用されれば、昨年8月以来2度目。川勝平太知事はこの日、緊急会見を開き、「飲食店には営業時間の短縮の要請を行うことになる。飲食店は感染源ではないが、(時短は)人流抑制の効果があるというデータがある。ご協力をお願いしたい」と理解を求めた。21日にも政府に要請し、期間は約2週間を想定している。

 関係者によると、非認証の飲食店には午後8時までの時短営業と酒類提供の自粛を求めるが、認証店は酒類提供については選択制とし、最大で午後9時まで営業できる方向で調整している。要請に応じた場合の協力金は営業時間などによって差をつける。

 県によると、感染者数の年齢別の割合は10代、20代がそれぞれ25%ほど。受験シーズン本番が迫り、川勝知事は「若い世代の皆さまには『感染しない、させない』ための行動をお願いしたい」と呼びかけた。

 前回の重点措置適用では緊急事態宣言も追加発出され、行動制限が9月末まで約2カ月間続いた。(中村純、黒田壮吉)

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 静岡県と静岡、浜松両市は20日、新型コロナウイルスで新たに1050人の感染を確認し、発表した。19日の877人を上回り、初めて1千人を超えた。自宅療養者も3830人(19日午後5時時点)まで増えている。

 県によると、清水町と沼津市の二つの学校でクラスター(感染者集団)が発生するなど、計5件のクラスターが確認された。

 静岡市は過去最多の219人を発表した。市内では、10~30代が感染者の約8割を占めるなど若年層の感染が目立つ。田辺信宏市長は20日、緊急会見を開き、「感染症に関しては『自分だけ』という意識は通用しない。社会的責任を持った行動をお願いする」と呼びかけた。感染者急増を受け、一般高齢者の3回目のワクチン接種について、当初予定していた2月1日から今月29日に前倒しすることも明らかにした。

 浜松市は199人の感染を発表した。居住地別では浜松市192人、磐田市5人、袋井市湖西市各1人だった。

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 川根本町教育委員会は20日、町内の4小学校、2中学校の全6校を21日から27日まで臨時休校することを決めた。町内の一つの小学校で新型コロナ感染者が複数人確認されたため。高齢者の町民が多く、感染拡大予防の措置としている。休校中の授業はリモートで実施される。

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