「災害用備蓄も検討」アベノマスク含む在庫8千万枚の使い道 厚労相

村井隼人
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 新型コロナウイルス対策として政府が調達した布マスクが有効活用されないまま、大量保管されている問題で、後藤茂之厚生労働相は7日の記者会見で「災害対策用に備蓄して利用できる道があるのではないか」と述べ、引き続き保管しながら活用方法を探る方針を明らかにした。

 布マスクは昨年4月、店頭でのマスク不足を受けて当時の安倍晋三首相が全世帯に配布すると表明し、「アベノマスク」と呼ばれた。別に配布を決めた介護施設向けなどと合わせて、国は計約2億9千万枚を調達。厚労省によると、10月末時点での布マスクの在庫数は約8130万枚で、大型倉庫に保管されている。会計検査院が11月に公表した2020年度決算検査報告では、約6億円の保管費がかかっていることがわかった。今年4月からの保管業務は日本通運が請け負っており、21年度の保管費も3億円を超えるとの見通しも出ている。

 政府は布マスクを介護施設などに一律配布していた。だが、現場から「必要ない」との声が相次いだため、希望する施設のみに配って余剰分は備蓄に回すことにした。こうした方針転換のなか、4月以降の在庫の減少分は142万枚にとどまっている。

 この日の会見で後藤氏は、マスクの使い道については「いま検討をし始めたところ」と話し、具体的には今後決めると説明。また、災害用に備蓄することに加え、「個人のみなさんから欲しいということがあった場合に希望に応えられるシステムの構築を検討している」と述べた。

 来年度以降の保管費の見通しについては明らかにしなかった。(村井隼人)

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