宇良―炎鵬ついに実現 出るか居反り、小兵たちの大相撲

鈴木健輔
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 待ち遠しかったカードが実現する。大相撲春場所(東京・国技館)8日目の21日、十両で炎鵬(えんほう)(26)と宇良(うら)(28)の一番が組まれた。小兵でアクロバティックな相撲が人気の2人は、これが初対戦だ。

 「楽しみでしかない」。炎鵬は、宇良との対戦を心待ちにしている。

 関学大時代に大技「居反(いぞ)り」を決めて話題になった宇良は、炎鵬が金沢学院大に通っている頃、すでに角界で名をはせはじめていた。「すごい相撲を取っていた。それを見て、この世界に入った」と炎鵬。

 2017年春場所で初土俵を踏んだ炎鵬は、序ノ口デビューから21連勝という快進撃でぐんぐんと番付を上げた。19年夏場所新入幕。だが、これまで憧れの宇良とは対戦できなかった。

 宇良が関取の座を失っていたからだ。

 初金星を獲得するなど幕内に慣れ始めていた17年秋場所、宇良は右ひざに大けがを負った。さらに復帰の途中で左ひざにも大けがを負う。一時は序二段まで転落した。

 宇良と入れ替わるように、幕内を沸かせたのが炎鵬だった。

 身長168センチ、体重100キロ前後の体を生かしたスピーディーな取り口、加えて足取りや横っ跳びのような、相手やファンを驚かせる動きで人気を得た。

 先の見えないリハビリ生活を強いられた宇良の目に、炎鵬の活躍はどう映っていたのか。

 「(同じ小兵として)悔しいんじゃないか、とか、結構言われましたけどね。僕は何もない。嫉妬とか、そういう気持ちでは見たことないですね」。宇良はそう振り返る。

 2年半以上の時間をかけ、十両に戻ってきた。今場所、炎鵬と顔を合わせる可能性を問われると、「楽しみはないです」と即答した。幕内復帰に向けて、炎鵬は倒さなければいけない敵の1人に違いない。でも、176センチの自分より小さな体で戦う後輩に、こんな思いも抱いている。

 「自分の中では炎鵬さんの方がすごいなという気持ちがある。純粋にすごいなっていう思い。(対戦して)本当に教わりたいことがたくさんありますね。勝っても、負けても勉強になると思います」

 これからずっと、ファンを沸かせるであろう両者の第1ラウンド。見逃せない一番だ。(鈴木健輔)

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