アフリカとの関係はなぜ大事か 松浦ユネスコ元事務局長

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聞き手・石原孝
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 アフリカ各国が次々に独立を果たした「アフリカの年」から60年余り。アフリカ54カ国のうち52カ国を訪れたことがあるユネスコ国連教育科学文化機関)の元事務局長、松浦晃一郎さんは「21世紀後半はアフリカの世紀だ」と言う。人口が急増し、注目を集めるアフリカ各国と日本はどんな関係を築くべきか、聞いた。

 ――アフリカ各国で人口が急増していて、今から30年後には世界の4人に1人がアフリカ出身者になると予測されています。

 「ユネスコの事務局長時代から、21世紀の後半はアフリカの世紀だ、と言い続けてきた。20~30年もすればインドのようなアジアの国の人口は頭打ちになる。アフリカ全体で見ると人口は増え、経済は成長し、国際社会における発言力も一層高まっていくだろう」

 ――アフリカ大陸はかつて、文明から取り残された地域と欧州諸国などに見なされ、「暗黒の大陸」と呼ばれたこともありました。今では経済発展を遂げ、「最後の市場」と言われることもあります。

 「私が1961年にガーナ日本大使館に赴任する際も、『暗黒大陸』という言葉を聞くことはあった。行ってみたら歴史的な文明もしっかりと残っていた。『暗黒』と言うのは西洋の国が植民地化を正当化するために作り上げた用語だ」

 「『最後の市場』という言葉…

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