第1回トヨタがつくる実験都市、章男社長が私財を投じる宿命

有料記事トヨタの実験都市

千葉卓朗 三浦惇平
[PR]

トヨタの実験都市(上)

 目前に富士山が迫るトヨタ自動車東日本の旧東富士工場(静岡県裾野市)。昨年末に53年の操業を終え、往年の名車を生産してきた建屋の解体工事が進む。23日、その跡地にできる未来の街の建設が始まった。トヨタが手がける実験都市「ウーブン・シティ」。4年以内に住民が住み始め、先端技術を日常的に使って暮らす街だ。

 街の「足」は、トヨタが開発する自動運転の大型電気自動車「eパレット」。東京五輪パラリンピック選手村でも使われる。必要なときに必要な場所へ必要な台数を配車し、待ち時間をなくす「ジャスト・イン・タイム」な運行が可能。車内スペースは、洋服や食料品などの店舗や、宅配物を保管するロッカーにもなる。スマホで操作すれば「必要なモノを店の方が持ってくる」(幹部)サービスも想定し開発が進む。AI(人工知能)を使って冷蔵庫に食料がなくなると自動で配達。住民の健康状態もセンサーが常時チェック。電力は、燃料電池車「ミライ」の技術を応用した水素発電でまかなう。トヨタはこんな将来像を描く。将来的には2千人以上が暮らす計画だ。

トヨタがつくる未来都市。伴走する企業と、地元の動きを3回で伝えます。

 車メーカーが街をつくる異例…

この記事は有料記事です。残り1150文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

連載トヨタの実験都市(全3回)

この連載の一覧を見る