トヨタ東富士工場が生産終了 2月スマートシティ着工へ
矢吹孝文
静岡県裾野市にあるトヨタ自動車東日本の東富士工場が10日、生産を終了して半世紀にわたる歴史を終えた。この敷地では、トヨタが自動運転や人工知能の実証実験を行う「ウーブンシティ」が来年2月に着工する予定だ。
トヨタ東日本によると10日午前、約500人の従業員が見守る中、最後の1台となるワゴン型のタクシー車両「ジャパンタクシー」が拍手で送り出された。その後、工場内の神棚を集め、幹部らが生産終了の報告と解体作業の安全を祈る神事を行ったという。
東富士工場は1967年、トヨタ東日本の前身「関東自動車工業」の拠点として発足し、「ヨタハチ」で知られる「トヨタスポーツ800」、人気セダンの「マークⅡ」、タクシー用の「クラウンコンフォート」などを生産。天皇陛下の即位パレードでも使われた最高級車「センチュリー」も製造されてきた。
跡地は将来の技術を検証するスマートシティになる。トヨタは11月、ウーブンシティを来年2月23日に着工すると発表。当初は高齢者と子育て世代、発明家ら360人が住むという。(矢吹孝文)