多様性の民主党、白人回帰の共和党 国家像問う大統領選

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金成隆一 藤原学思
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 白人が米社会でマジョリティーでなくなるなか、2大政党の対応は対照的だ。

 民主党は多様性を推進力としてきた。1960年代に民主党政権で公民権法が成立したことを機に黒人の大多数の支持を集めるようになり、近年はヒスパニックやアジア系の支持も厚い。その象徴は初の黒人大統領として2008年、12年に当選したオバマ前大統領だ。特に12年の選挙では白人の支持について共和党のロムニー氏に20ポイントの差をつけられながら、マイノリティーの支持を圧倒的に固めることで勝利した。

 今年の大統領選に向けては、オバマ政権の副大統領だったバイデン氏が大統領候補となった。バイデン氏は自らの副大統領候補には、父親がジャマイカ出身の黒人で、母親がインド出身のハリス上院議員を指名。主要政党の正副大統領候補として初の黒人女性で、アジア系でもある。

 一方、共和党は白人の支持を集めることに成功してきた。12年の大統領選後には、「マイノリティーからの支持も得られるようにすべきだ」という報告書が党内でまとめられたが、16年の大統領選に向けた候補者選びではこうした方向性を模索した主流派の候補たちが、トランプ氏の前に敗北。本選でも、白人の58%の支持を得たトランプ氏が勝利し、今も有権者の約7割を占める白人票を固めることの強さを見せた。再選を目指すトランプ氏は今年も地方を中心に集会を開き、大勢の白人を前に「かつての偉大な米国を取り戻そう」というメッセージを送っている。

 住む地域によって、有権者の考え方の差も大きい。

 ピュー・リサーチ・センター…

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