官邸HPの三権分立図を修正 「内閣主権だ」の批判受け

小野太郎
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 首相官邸のホームページ(HP)に掲載されている「三権分立」の図説について主権者の国民を内閣が縛っているかのように表現した部分が6月中旬、修正された。ネット上や国会で「内閣主権だ」などとして、批判が出ていた。

 HPを運営する内閣広報室によると、図説が掲載されたのは1998年で、内容修正は初めて。

 図説は、国民を取り囲むように国会(立法)、内閣(行政)、最高裁判所(司法)が配置され、三権がそれぞれ相互監視する仕組みを説明するもの。加えて、国民からは国会に「選挙」、最高裁に「国民審査」というチェック機能の矢印が伸びていた。修正前は、内閣だけに国民に向けた「行政」という矢印が記されていた。今回の修正では、この矢印を逆向きにし、「世論」と記述した。

 図説をめぐっては、ツイッターなどで「官邸の本音」などと批判が続出。今年5月の国会でも「非常に違和感がある」などと指摘された。内閣広報室の担当者は「(図説が掲載された)当時の意図はわからない」とし、「誤解を招く図を載せるよりも、多くの教科書や衆議院のHPと同じように修正した方が、より三権分立を理解してもらえるのではないかと思った」と話した。(小野太郎)

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