【詳報】皇后雅子さま晴れやか 新天皇陛下が即位儀式

令和

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 「平成」が終わり、いよいよ「令和」の時代が幕を開けました。新天皇陛下の即位にともない、1日はさまざまな儀式が行われます。令和最初の日、全国の出来事をタイムラインで追いかけます。

皇后さま、ロングドレス姿(14:55)

 新皇后の雅子さまは新天皇とともに、上皇ご夫妻にあいさつをするため、皇居に入る半蔵門を車で通過した。皇后さまは午前中のローブ・デコルテから、アイボリーのローブ・モンタントと呼ばれるロングドレス姿に着替え、同色の帽子も着用。小雨がぱらつく中、沿道などで待ち受けた人たちに笑顔で手を振り、歓声に応えていた。

京都御苑をみこしが行く(14:50)

 令和を祝い、京都市上京区の御霊(ごりょう)神社と中京区の下御霊神社の祭礼のみこしが京都御苑(上京区)内を巡行した。両神社とも皇室とゆかりが深く、江戸時代には、みこしが御苑の中を練り歩き、天皇が観覧することが恒例となっていたという。だが、明治維新を機に、天皇が東京に移ると、その伝統は途絶えた。

 今年は5月1日の神幸祭と新天皇即位が重なった。さらに御霊神社のみこしの一つが江戸時代、後水尾(ごみずのお)天皇から寄進されて400年、下御霊神社のみこしが江戸時代、霊元上皇と東山天皇から与えられて310年の節目。両神社が御苑を管理する環境省などと協議し、みこし巡行が実現した。

150頭の羊が「令和」(12:34)

 千葉県富津市のマザー牧場で、羊約150頭が「令和」の文字をつくった。来場者は草原に文字ができあがると一斉に拍手。千葉県市川市の小6、広末日鞠(ひまり)さん(11)は「令和の字ができて驚いた。新しい時代は友達をたくさんつくりたい」。

京都の芸妓が祝いの口上(12:31)

 京都の花街・先斗町(ぽんとちょう)で1日から始まった春の舞台公演「鴨川をどり」。初回の開演前に、芸妓(げいこ)の久富美(ひさふみ)さんと市園(いちその)さんが、黒紋付きの正装姿で先斗町歌舞練場(京都市中京区)の舞台に登場。金びょうぶを前に、「新たな御代とこの鴨川をどりが、時を同じくして幕を開けることができましたことは、まことに幸せなことにござります。令和の御代になりましても先斗町を、そして鴨川をどりを、よりいっそうごひいきいただきますよう、お願い申し上げます」と、特別に祝いの口上を述べた。

一家に3時代そろった(12:30)

 東京都中央区の北田有希子さんは、2958グラムで生まれた次男を初めて抱っこした。午前0時43分に出産。自身と夫は昭和生まれ、小学1年の長男、長女(2)は平成生まれ、次男は令和生まれ。「一家の中に3時代がそろうことになった」と笑う。

号外1万3千部を配布(12:15)

 朝日新聞社は午後、新天皇陛下が即位したことを報じる号外を発行した。東京都内の渋谷、新宿、秋葉原、有楽町で計1万3千部を配布。JR有楽町駅近くで受け取った東京都板橋区の橋久子さん(72)は号外を広げ、「新天皇皇后両陛下が無事に即位されてうれしい。天災のない平穏な時代になってほしい」と話した。

新天皇陛下、認証官任命式(12:07)

 新天皇陛下が新侍従長となった小田野展丈氏、新設された上皇職のトップ・上皇侍従長となった河相周夫氏の認証官任命式に臨んだ。陛下は二人に「重任ご苦労に思います」と述べた。この日午前には、車で皇居に到着後、内閣から届く書類を決裁する「執務」も行った。

明治神宮、一時10時間待ちに(12:00)

 明治天皇をまつる東京都渋谷区の明治神宮では、御朱印を求める人が続々と列に加わっていた。最後尾には、「10時間待ち」の看板が掲げられた。

改元祝し、だんじり集結

 令和への改元を祝し、神戸市東灘区のJR摂津本山駅近くでは、午前中から神戸・阪神間の地域からだんじり45台が集結した。約3700人の担ぎ手たちが万歳三唱をした後、正午ごろから、お囃子(はやし)とともに高さ4メートルほどあるだんじりを引き、延長約400メートルの幹線道路を練り歩いた。

宮内庁長官「しっかりお支え」(11:40)

 宮内庁の山本信一郎長官は庁舎内で記者団の取材に応え、新陛下について「新しい御代を迎え、新しい風に向かって国民の期待に応えていかれると思いました」と話した。宮内庁としては「今年1年色々な行事があり、恒例の地方訪問もいよいよスタートする。しっかりお支えしていきたい。皇后陛下も十分に体調管理に留意されて、お務めをしていただきたいと思う」と述べた。

改元と結婚、山頂で祝う(11:30)

 天孫降臨の地とされ、宮崎、鹿児島両県にまたがる高千穂峰(1574メートル)では、改元を祝う記念登山会があった。4月28日に挙式し、1日午後に婚姻届を出すという宮崎市の新婚カップルも参加。山頂でお祝いの「登頂結婚記念証」を渡すイベントがあり、お祝いムードに包まれた。宮崎県高原町商工会などの有志による主催。あいにくの雨や霧にもかかわらず、約300人の応募者や一般の登山者などで山頂はにぎわった。

新天皇陛下「責務果たす」(11:17)

 新天皇陛下が即位儀式で「憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」と即位後初めての「おことば」を述べた。

 安倍首相は、即位後朝見の儀で、新天皇陛下の「おことば」を受け、「私たちは、天皇陛下を国及び国民統合の象徴と仰ぎ、激動する国際情勢の中で、平和で、希望に満ちあふれ、誇りある日本の輝かしい未来、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ時代を、創り上げていく決意であります」と述べた。

雅子さま、伝統のティアラ姿(10:50)

 新皇后となった雅子さまも、皇居に「初通勤」した。

 皇后さまは午前10時50分ごろ、皇居に入る半蔵門に車で到着。周辺に集まった人たちから「雅子さまー!」と歓声が上がり、皇后さまは車の左右に笑顔を向け手を振って応えていた。

 その後、皇居・宮殿で「即位後朝見の儀」に参列。皇后さまは歴代皇后に受け継がれたティアラを初めて着用。新天皇陛下のそばで笑みを浮かべていた。

SLが改元記念出発式(10:50)

 JR山口線の新山口駅山口市)では、改元を記念したSLやまぐち号の出発式があった。日の丸を掲げた1938(昭和13)年製造の蒸気機関車D51(デゴイチ)の姿をカメラに収めようと、約600人の鉄道ファンが集まるなか、午前10時50分に津和野駅(島根県津和野町)に向けて出発した。

新天皇陛下が「承継の儀」(10:30)

 新天皇陛下が即位し、皇位のしるしとされる神器などを引き継ぐ「剣璽(けんじ)等承継の儀」が宮殿・松の間で始まった。安倍晋三首相や衆参両院議長らが参列。新天皇陛下は燕尾(えんび)服に、天皇という特別な地位に基づく「大勲位菊花章頸飾(けいしょく)」などの勲章を身につけて入場した。

 参列は皇位継承権のある成人の男性皇族に限られ、継承順位第1位の皇嗣となった秋篠宮さま、同3位で上皇さまの弟・常陸宮さまが続いた。女性皇族は参列しなかった。

 新天皇陛下に続き、侍従が「三種の神器」(剣、璽〈じ〉=まが玉、鏡)のうち、鏡を除く剣と璽、天皇が国事行為の執務で使う御璽(天皇の印)、国璽(日本国の印)を捧げ持って入場。新陛下の前の台にそれぞれを置いた。儀式は約5分間で終わった。

新天皇陛下が「初出勤」(10:00)

 新天皇陛下は1日朝、お住まいのある赤坂御用地を車で出発し、即位関連の儀式に出席するため車で皇居へ「初出勤」した。新陛下の姿を見ようと、沿道には大勢の人たちが集まった。

 午前10時前、新天皇陛下を乗せた車が半蔵門に到着すると、集まった市民ら約500人から、「陛下!」「天皇陛下万歳」などの声が上がった。陛下は車の窓をあけ、にこやかに手を振って応えた。

 陛下は当面、赤坂御用地にある即位前と同じ住まいで生活し、皇居・御所に通うことになる。

昭和生まれ2人の結婚式始まる(10:00)

 茨城県守谷市の結婚式場「ベル・ジャルダン」で、牛久市の会社員、吉川雅利さん(34)と友紀さん(32)夫妻の挙式が始まる。ともに昭和生まれ。平成の昨年末に婚姻届を出し、令和がスタートする1日の挙式を選んだ。「幸せいっぱいな毎日を過ごしていきたい」。

菅官房長官も祝意(9:15)

 菅義偉官房長官臨時閣議後の記者会見で、新天皇陛下の即位について「謹んでお喜び申し上げるとともに、国と国民の象徴として、皇后陛下とともにお健やかにお務めいただくことをお祈り申し上げたい」と祝意を述べた。

 菅氏は、退位特例法の付帯決議に盛り込まれた安定的な皇位継承の議論開始時期について、「天皇陛下のご即位に伴う一連の式典が、国民の皆さまの祝福の中でつつがなく行われるよう全力を尽くし、その上で衆参両院の委員会で可決された付帯決議の趣旨を尊重して対応したい」と述べた。一連の即位の式典が終わる今秋以降になるとの見通しを示した形だ。

 退位特例法の付帯決議は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設などについて法施行後すみやかに検討するよう求めている。

明治神宮に行列(9:00)

 東京都渋谷区の明治神宮では、午前5時の開門直後から令和初日の御朱印を求める人たちが行列を作った。予想を上回る人出に対応するため、午前9時の予定だった受け付け開始時間を午前6時半からにした。

 さいたま市から訪れた中里有花さん(51)と長男で小学6年生の颯人(はやと)君(11)は約2時間並び、「令和元年5月1日」の日付が入った御朱印をもらった。御朱印集めが趣味という颯人君は「新しい時代の最初の日にもらえた。自慢できる」と笑顔を見せた。

「おことば」閣議決定(8:47)

 政府は首相官邸で臨時閣議を開き、1日午前に行う「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見の儀」を国事行為として行うことを閣議決定した。新天皇陛下が朝見の儀で天皇として初めて述べる「おことば」と、安倍晋三首相による「国民代表の辞」も決定した。

婚姻届提出、20組が列(08:30)

 愛知県豊橋市役所が婚姻届特別窓口を開いた。先着100組には鉢植えの花を贈った。

 受け付け開始前から20組以上が列をつくった。先頭は市内に住む西岡宗樹さん(24)と高岡夏良(なつみ)さん(24)の2人。午前6時前に着いたが「1番とは思いませんでした」。

令和ゆかりの地、長い列(08:06)

 「令和」ゆかりの地、福岡県太宰府市の坂本八幡宮では、朝から参拝者の長い列ができていた。境内は前日からにぎわい、令和と書かれたパネルや令和元年と記された御朱印を手にして記念撮影をする人たちの姿がみられた。

市役所守衛室に婚姻届(8:00)

 水戸市役所の守衛室で、同市堀町の銀行員、後藤洋輔さん(33)と病院事務、柳橋睦さん(25)が婚姻届を提出し、受領された。特設の写真ブースで記念撮影した洋輔さんは「この日を、10年後も20年後も忘れないと思う」。睦さんは「令和の時代は、天災が起こりませんように」と新時代の平穏を願った。

自転車4日こぎ、皇居で記念撮影(07:30)

 大阪市淀川区の製造業木内信吉さん(48)は4月28日昼に自宅を出発し、自転車をこぎ、4日かけて皇居に到着した。午前7時半ごろに皇居に到着すると、持参した「令和」の文字を印刷した紙を持ち、皇居を背景に記念撮影した。

 当初は淡路島への自転車旅行を計画していたが、家族から「そんなん記念にならへんやろ。やるなら皇居やろ」と言われて一念発起したという。宿泊はネットカフェ。静岡県で道を間違え、電車に乗ったが、箱根の山も自転車で越えた。

 この日が誕生日という。「ただただ疲れた。自転車に乗り続けてテレビも見なかったから、元号をめぐる話題はよくわからないけれど、みんなが僕の誕生日を祝ってくれるみたいでうれしい」と笑った。

新天皇の健康を祈願(05:30)

 千葉県成田市成田山新勝寺で、新天皇の健康と世の中の平穏が長く続くことを祈る「奉祝朝護摩供(ほうしゅくあさごまく)」が始まった。約300人が参列し、大本堂で約50人の僧侶が読経した。5日まで1日8回、計40回の護摩修行が行われる。地元の老舗和菓子店「なごみの米屋(よねや)」の諸岡良和社長は「穏やかな時代が長く続くことを祈りました」と話した。

サンシャイン60で「初の日の出」(04:50)

 東京・池袋の高層ビル「サンシャイン60」の展望台には、令和初の日の出を見るイベントに約100人が集まった。ただ、窓外に見えるのは真っ白な曇り空。建物一つ見えず、「全然、太陽出てねえ」「もう無理だ」。来場客らは苦笑いを浮かべながら、家路についた。

本土最東端に370人(04:11)

 本土最東端の納沙布岬(北海道根室市)には、「令和」最初の日の出を見ようと、早朝から約370人の観光客や市民がマイカーなどで押しかけた。しかし、日の出の予想時刻とされた午前4時11分ごろには、低く垂れ込めた雲に阻まれ、太陽は拝めなかった。地元の根室交通のバスツアーに参加した男性は「日の出が見えなくて残念だが、なかなかできない経験ができた」。

午前10時半から「承継の儀」

 新天皇即位に伴い、皇居・宮殿では1日午前10時半から、皇位のしるしとされる神器などを引き継ぐ「剣璽(けんじ)等承継の儀」、午前11時10分から新天皇が最初のおことばを述べる「即位後朝見の儀」がそれぞれ国事行為として行われる。

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