仕事、それは息子たちとのかけがえのない日常を残すこと ママYouTuber鈴川絢子

文:渡部麻衣子 写真:山田秀隆

鉄道大好き芸人で、ママYouTuberとしても活躍している鈴川絢子さん。5歳の長男・常陸(ひたち)くん、3歳の次男・常磐(ときわ)くんとのほのぼのとした日常動画は、子どもをもつお母さんたちの人気を集め、『鈴川絢子チャンネル』の総再生回数は10億回を超えています。そんな鈴川さんに、親子での動画制作を楽しむコツについて、お話を伺いました。

軽い気持ちからスタートしたニコ生配信

――鈴川さんが動画配信を始めたのは、いつごろですか?

今から10年以上前、まだ大学生のときです。友達に「動画配信やってみたら」とすすめられて軽い気持ちではじめました。その当時はひまだったので(笑)。ニコニコ動画でゲーム実況をやってみたんですが、楽しくてすぐに夢中になりました。

――大学生ということは、芸人さんになる前から動画配信を始めたんですね。

そうですね。芸人活動の一環として動画配信を始めたわけではないです。単純に、全国からコメントがよせられ、みんなで盛り上がる感じが好きだったんです。だから、芸人になってからも、テレビだけではなくインターネットでの活動も続けていきました。

芸人になってからは、ニコニコ動画で鉄道系の生配信をしていましたね。珍しい列車が通るのを沿線で待ち伏せして、列車が来たときにみんなで盛り上がるんです。

2013年ごろから、YouTubeでの配信も始めました。YouTubeでは生放送動画よりも編集した動画をメインでアップしていました。動画を作り込めるので、鉄道に限らず幅広いジャンルで自分のやりたいことを全部やっていく場として使い分けていましたね。

過酷なニコ生からYouTubeへ

――その後、投稿プラットホームをニコ生からYouTubeに移行していきますよね。

ちょうどそのころ長男を妊娠したのもあって、以降の動画配信はYouTubeに一本化することにしました。というのも、ニコ生でやっていた鉄道系の生配信はかなり過酷なんですよ。

前日にロケハンをして、悪天候でも列車通過一時間前から待ち伏せする。それだけ準備しても、電車が来る直前にモバイルWi-Fiがつながらなくなり、冷や汗をかいたこともありました。撮影担当の夫とも相談しましたが、子どもを抱えながらそれをするのは、もう無理だなと(笑)。

――そもそも、鈴川さんだけの出演で成立していた動画に、お子さんと一緒に出ようと思ったのはどうしてですか。

もともと私はYouTube上で、作品を発表するというよりも日常を発信している感覚でした。だから子どもが生まれてからは、一緒にいる様子を動画にするのがすごく自然なことだったんです。

もちろん子どもたちが動画に出演しているからこそ、安全面には気を遣っています。家の場所が分かりそうなロケーションでは撮影しないですし、鉄道イベントなどから子どもと帰るときは少し手前の駅で降りてタクシーで帰ったりしています。

「自然体」で「安全」な動画

――動画制作をするにあたって重視しているポイントはありますか?

子どもたちを過剰におもしろく映そうとは思わないことですかね。だから台本的なものはなく、撮影の際に子どもをびっくりさせるような演出もしません。編集で効果音や文字を入れることもしていません。

家族みんなで列車を見にいったり、公園に行ったり。ホームビデオのような感覚で動画を公開していきました。子どもたちはのびのびと自然体で楽しんでいますね。

あと気をつけていることでいうと、安心して見てもらえる動画にするということです。

――安心して見てもらえる動画とはどういうことでしょうか。

私の動画は小さいお子さんを持つお母さんがよく見てくれているのですが、そういう方って、子どもが危険な目に遭いそうな動画はひやひやして見ていられないんです。

たとえば駅のホームで動画をとるときは決してベビーカーから手を離しませんし、外で遊ぶときも、子どもたちには公共の場でのルールを必ず守らせます。交通ルールやマナーを守らせることは、教育の意味でも大事なことですが、安全を確保する意味でもとても大切です。

鈴川さんの動画に出演する常陸君と常磐君

――ご自身が親だからこそ、気遣えるポイントですね。ちなみに動画をつくってみたけどうまくいかなかったこととかはあるんでしょうか。

思ったより再生数が伸びなかったという経験はあります。例えば、以前投稿した「子どもたちのおもちゃを紹介する」という企画が結構再生されたので、その翌年に、おもちゃの量を増やして再び投稿しました。でも思ったより再生が伸びなかった(笑)。でもそうかと思えば、子どもたちと一緒に公園で遊んでいるだけの動画が謎の伸びをみせました。

YouTubeでの配信はかれこれ7年やってますが、「絶対に再生数がかせげる企画」というのは分からないですね。

撮影を通して生まれた親子の会話

――息子さんたちはどういうキャラクターなんですか?

長男の常陸は、繊細で優しくて、おっとりしたタイプです。次男の常磐は自己主張がはっきりしていてやんちゃ坊主ですね。全然タイプが違って面白いですよ(笑)。

――動画にも「優しいお兄ちゃんと無邪気な弟ちゃん」という空気がでていますね(笑)。ちなみに息子さんたちは、撮影されていることをどう感じているのでしょう。

次男はまだ小さいので聞けませんが、長男は生まれたときから撮られるのが当たり前だったので(笑)、カメラを向けても物おじしないどころか、最近だと新しいおもちゃを買ってもらったときに、「今から開けるけど撮影するー?」と聞いてくるようになりました。

外で動画をとるときも、「この順番でとろう」とか、いろいろアイデアを出してくるんですよ。プラレールの紹介動画を撮影したときは、長男が自らプラレールを配置してくれました。

――親子で一緒に動画をつくっているからこそ生まれる会話ですね。他にも動画制作をしていたからこそ生まれる親子のコミュニケーションってあるのでしょうか。

この活動をしていると、単純に子どもたちと共有できる時間をたくさんとれますね。動画をとるのも子どもと遊びながらだし、編集も基本的におうちでできるので。一緒にいる時間が多いから、子どもとたくさん話して、彼らがやりたいことや親としてしてあげたいことにたくさんチャレンジできます。

――仕事の間も親子で一緒にいられるんですね。両親の仕事を間近で見ているお子さんたちは、ゆくゆくはYouTuberに……?

いえ、常陸は鉄道業界で働きたいと言っています。あまりにも身近すぎるからか、YouTubeを仕事とはとらえていないようです(笑)。

YouTubeは、私たちにとっては日記みたいなもの。過去にあげた動画をみんなで見返すことも多いんです。同じ場所を再訪しても、子どもが成長しているぶん、以前とは違うリアクションをするのも見ていて楽しい。再生するたび、家族の絆が深まっていくように感じます。

常陸は、来年から小学生。これまでのようにずっと一緒にはいられなくなって、家族の暮らしもこの先どんどん変わっていきます。でも、YouTubeは自分たちの今を切り取れるものなので、これまで同様、生活の変化の過程も積極的に動画に残していくつもりです。

PROFILE

鈴川絢子(すずかわ・あやこ)

1991年生まれ。芸人。2013年にYouTubeで『鈴川絢子チャンネル』を開設、現在のチャンネル登録者数は約81万人(2020年7月8日時点)。鉄道関連の動画やおもちゃの紹介動画、子どもとのお出かけ動画が人気。

【YouTube】https://www.youtube.com/user/suzukawaayako
【Twitter】https://twitter.com/kinokostar_suzu
【Instagram】https://www.instagram.com/suzukawaayako

子どもにも、親にも、新しい学びの時代へ

Sponsored link by New Education with FMV

アクセスデータの利用について

本ページでは、株式会社朝日新聞社及び富士通クライアントコンピューティング株式会社が、Cookieを使用してユーザーの端末情報(IPアドレス、オペレーティングシステムやブラウザーの種類等)及びユーザーの行動履歴(アクセスした時刻、URL、訪問回数等)等のアクセスデータをそれぞれ取得し、以下のような目的に利用します。

(1)アクセス状況の把握・解析や広告効果の測定
(2)ユーザーに最適と推定されるコンテンツの配信
(3)行動ターゲティング広告等の広告配信
(4)広告配信事業者・調査会社・広告主等の顧客・提携企業等の第三者への提供

朝日新聞社及び富士通クライアントコンピューティング株式会社は、上記(1)~(4)の目的に必要な範囲で、各社が有する個人情報や単独では個人を特定できない属性情報(生年や性別、職業等)と組み合わせ、過去のデータを含めて用いる場合があります。


本ページのアクセスデータの取得・管理・利用に使用されるツールは下記の通りです。

・Treasure Data(トレジャーデータ株式会社)
・Audience One(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)

行動ターゲティング広告の表示を希望されない場合は、下記の各ツールのページから非表示設定(以下「オプトアウト」)をしてください。ただし、オプトアウトの設定内容によっては、本ページの一部機能がご利用になれない場合があります。ユーザーがブラウザの変更、クッキーの削除および新しいコンピューターヘの変更等をされた場合にはクッキーの設定もリセットされるため、再度オプトアウトが必要となります。

・Audience Oneのオプトアウトページ(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社)


その他のアクセスデータの利用は下記を参照下さい。

・その他のアクセスデータの利用に関して