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バイトがあって今がある 175R Vo.SHOGOさん

2017年5月29日 公開

自分の知らない世界に飛び込んでみると、発見や喜びがあるもの。
バイトも一緒だよ。

175R Vo.SHOGOさん
取材協力/The World Lounge Co&Co Sapporo
(札幌市中央区北2条西3丁目1-29 タケサトビル2F)
6年の活動休止期間を経て、昨年12月にファン待望の再始動に踏み出したロックバンド「175R(イナゴライダー)」。
ボーカルのSHOGOさんにマイクを向け、アルバイトの経験や活動再開への道のりを尋ねた。

年配のお客様から金髪を褒められる!?

「空に唄えば」を筆頭に青春パンクと評される楽曲を次々とリリースし、若者たちの絶大な支持を得てきた「175R」。ボーカルを担当するSHOGOさんはエネルギッシュな歌声や真っすぐなキャラクターで知られている。彼がエンターテインメントの世界にあこがれを抱いたのは幼少期。「劇団四季」のミュージカルに心から感動し、ステージに立つような人間になりたいと将来像を思い描くようになった。
「エンタメの中から音楽の道を選んだきっかけは尾崎豊さんの存在が大きいですね。『シェリー』のライブ映像を見た時、全身を使って思いの限りを表現するようなステージングが胸に突き刺さりました。それから、俺は歌でやっていくんだってスイッチが入った気がします」
SHOGOさんは高校に入ると初めてバンドを組み、オリジナルの楽曲作りやライブ活動にのめり込んだ。スタジオ代やライブハウスの出演料は、バイトで稼ぐようになったと言葉を続ける。
「初めてのバイト先は長崎ちゃんぽんのチェーン店。掃除から皿洗い、料理の提供まで、本格的な調理以外は何でもやりました。月並みですけどお金を稼ぐのは大変だなって思った反面、任される仕事が少しずつ増えていくのって自分が求められているみたいでうれしかったなぁ」
高校時代は、地元の北九州で数店舗を展開する蕎麦屋でも働いた。店長が元バンドマンだったこともあってすぐに意気投合し、手が空いた時には音楽の話題で盛り上がったと振り返る。
「その蕎麦屋は髪の色も自由だったから、学校が長期休みに入ると金髪や真っ赤な頭で働いてました(笑)。高校生のバンドマンにとって、夏休みや冬休みだけがヘアスタイルでも自己表現できるタイミングですから。意外に年配のお客さんからも“良い色ネ”なんて褒められたりしましたよ」

バンド活動に役立った、CDショップのバイト

高校卒業後、SHOGOさんの組んでいたバンドが解散したことから、友人たちのツテを頼りに新たなメンバーを探し始めた。プロになるという夢を叶えるために、腕利きのバンドマンに狙いを定め、「バンド組もうよ、絶対に有名になるから!って直球の“ワガママ”で口説いたんです」と笑う。そうして生まれたのが175Rだ。
「CDデビューの直前までバイトをしていたのが地元のCDショップ。店のシャッターを開けてから閉めるまで、すべての作業を一人で担ってました。だから、入荷もポップ作りも自分の仕事。独断と偏見でオススメのインディーズバンドコーナーを展開したり、僕らのデモテープを売ってみたり(笑)。そうそう、倉木麻衣さんのファーストアルバムを猛プッシュした時はかなり売れましたね」
お店は少人数で回していたが、バンドのライブや練習がある日はシフトを代わってもらうなど融通が利きやすかったとか。さらに、レコード会社から送られてくるサンプルCDを数多く聴くことで流行をとらえたり、店内にライブのフライヤーを置いたり、175Rの活動に取り組む上でもバイトが役立った経験は数え切れないそうだ。
「アーティストのテレビ出演が決まったら、所属会社から“在庫は足りていますか?”とファックスが送られて来ましたし、売り出し中のバンドのライブに招待してもらったことも。プロモーションの流れが分かったのも良い経験です」
歌手の思いを込めたCDを最終的に手渡すのはCDショップのスタッフ。SHOGOさんは自らがバイトを経験したことで、CDショップで働く人に対する感謝の気持ちが強まったと真剣な目で語る。

充電期間の反動で音楽への思いが強く!

2001年のCDデビュー、さらに2003年のメジャーデビュー以来、175Rは加速度的に人気を増した。楽曲を制作してはレコーディングに移り、リリースしてはキャンペーン行脚へ。目まぐるしく過ぎていく日々に、SHOGOさんは「好きで始めた音楽だけど、いつしか自分を苦しめるようにもなってきて。音楽との向き合い方を見つめ直したくなったんです」とバンドの活動休止を決意。メンバーには少なくとも5年は休むと宣言した。
「活動休止期間中はイギリスで暮らしたり、聞かせる系の“歌もの”にソロでチャレンジしてみたり、楽しいことをいっぱいしました。で、4年程前に、好きな洋服ブランドの20周年パーティーを2016年に開くのでバンドとして出演してほしいとお願いされたんです。その時は“まだまだ先だからいいか”って二つ返事でOKしたんですが、気付いたらもう1年後に迫っていて(笑)。その時には、たっぷり充電した反動で、もう一度自分たちのパンクロックを届けたいという気持ちは前よりも強くなったかな」
活動休止期間中、SHOGOさんの元にはいくつか舞台や映画のオファーが届いたとか。バンドは自己プロデュースの側面が強く、自分たちが「OK」なら滞りなく進んでいくことに対し、演技は演出家が「NO」を出すと別の提案をしてディスカッションしながら一つの作品を作るイメージだという。
「自分の知らない世界に飛び込むと、すべてが新鮮に映って面白いんです。それってバイトも一緒で、怒られたり、否定されたりすることもあるけれど、働いてみると一つひとつに発見とか喜びがあると思います。だから、思い切って経験してみたほうが良いんじゃないかな」

★SHOGOさんの思い出バイト★

長崎ちゃんぽん屋
高校に進学してすぐに始めたバイト。給料はスタジオやライブハウスを借りるのに使っていました。
蕎麦屋
店長が元バンドマンですぐに意気投合! 気付けばシフトを作るバイトリーダーになっていました。
CDショップ
入荷やポップ作りなども担当。宇多田ヒカルさんとか倉木麻衣さんのコーナーを展開して、めっちゃ売りました(笑)。

<プロフィール>
175R

SHOGO(Vo.)、ISAKICK(Ba.)、YOSHIAKI(Dr.)によるロックバンド。2001年にインディーズで初のCDをリリース。2003年「ハッピーライフ」でメジャーデビュー。同年4月にリリースしたSingle「空に唄えば」とともにオリコン初登場1位という日本のロックバンド初となる快挙を成し遂げる。その年の大晦日にはNHK紅白歌合戦に出場。2011年より活動休止。2016年12月、6年間の活動休止から活動再開!
公式サイト 
http://www.175r.com/

<インフォメーション>

●最新リリース情報
「Take Me Away」
■初回限定盤(2CD)
 UPCH-89335 2,500円(税抜)
■通常盤(CD)
 UPCH-80472 1,500円(税込)

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バイトがあって今がある

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バイト先の人たちがMVに出演してくれたほど、良い出会いばかりだった。