プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥2,090¥2,090 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥490¥490 税込
配送料 ¥303 5月29日-31日にお届け
発送元: 本・CD・DVD・ゲーム買取します!「あおばどう」で検索 販売者: 本・CD・DVD・ゲーム買取します!「あおばどう」で検索
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
橋本夢道物語―妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね 単行本 – 2010/12/1
購入オプションとあわせ買い
たった7文字だが、これが自由律俳人橋本夢道の代表句だ。晩年夢道は、この句を自分の墓石に刻んでいるが、果たしてこれが俳句といえるかどうか。
夢道は反戦俳句を作ったために昭和16年(1941年)2月、月島署の特高に治安維持法違反容疑で逮捕された。この句は、巣鴨の東京拘置所で作った。その年の12月8日、日本軍が真珠湾攻撃をした。
・大戦起こるこの日のために獄を賜る
・渡満部隊をぶち込んでぐっとのめり出した動輪 夢道は獄中でおよそ300句を作っている。すべて、妻静子が布団の中に忍ばせて差し入れた紙石版に石筆で彫ったものだ。
・総身にルビー残して一糸もなし
・秘めても温泉乳房も恥部も透明に
・せつなくて畳におちる女のなみだを叱るまい
夢道は月島小町といわれた、美しい静子と運命的な出合いで結ばれる。静子は「わたしを娶って下さい」と畳に両手をついて涙を流して逆プロポーズ。
・みつまめをギリシャの神は知らざりき
昭和13年(1938年)夢道は銀座に、しるこ屋「月ヶ瀬」を始めた。この句はキャッチコピーで、店で一番の人気は大きな洒落たガラスの器に餡をのせた「あんみつ」だった。あんみつは夢道が考案したといわれようになった。 生涯5500句のうち獄中の85句を含む605句を掲載し、色紙や写真を多数掲載した夢道俳句の神髄に迫る物語。(一般書店では月島・相田書店、築地・弘尚堂書店に常時置いてあります。)
- 本の長さ422ページ
- 言語日本語
- 出版社勝どき書房
- 発売日2010/12/1
- 寸法13.5 x 2.7 x 19.5 cm
- ISBN-104434151347
- ISBN-13978-4434151347
よく一緒に購入されている商品
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
著者からのコメント
レビュー
「橋本さん、いつも亭主がお世話になっています。又吉の女房で、たつと申します。実はある人から頼まれたんですが。橋本さんは俳句をお作りになるそうですね。この色紙に、なにか俳句を一つ書いていただけないかと思いまして、お願いに来たのですが、よろしいでしょうか」
夢道は突然の依頼にびっくりした。ひとから色紙を頼まれたのは初めてだった。それに、たとえ頼まれたとしても、自分が色紙に俳句を書いて渡すほどの俳人にはなっていないと思っていた。おたつの申し出に戸惑いをおぼえながらも、 といって受け取った。それにしても、いったいどこのだれが夢道の書いた色紙をほしがっているのだろうか。夢道は不思議そうな顔をした。それに気が付いたのか、おたつは、
「いや、知り合いの人なんですが、名前は勘弁してください。ひと月ほどしたら、いただきに来ますんで、書いておいていただけますか。それで、これは、その人から預かったものです。どうか、お納めください」
おたつは、その人からの贈り物ということで、竹で編んだ一輪挿しの掛籠を差し出した。
煤竹で編んだ落ち着いた色合いの掛籠だった。夢道は、頼まれたのが自分でなく、別人だと困るので、おたつに念のために問いただした。奥村商店には、もう一人俳句が好きな、四十歳になる千田重和という番頭がいたのだ。
「わたしでなく、番頭の千田さんの間違いでは?」
というと、おたつは、
「千田さん? 番頭さんの? 違います。橋本さんで間違いないです」
といって、頭をペコペコと下げて、色紙を渡した。おたつ、それ以上、詳しいことはいわずに、
「じゃ、またひと月後にまいりますのでよろしくお願いしますね」
といって帰っていった。
夢道は、だれだか分からない人にどんな句を書いていいか迷った。ただ、夢道はおたつに頼まれた瞬間から、もしかしたら色紙を頼んだのは、あの娘さんではないか、と思った。その女性が瞼に浮かんできた。そうに違いないと思うと、体中が熱くなり、激しく心臓が高鳴り、顔は真っ赤になっていた。おたつがいわないのだからだれだか分からないと理性では思っていても、きっとあの娘だ、そうであってほしい、と願った。
著者について
1942年静岡県浜松市に生まれる。5歳で父の転勤のため東京へ移転。1961年、明治高校を卒業。1968年明治大学文学部を卒業。同年、朝日新聞記者となる。浦和支局、北海道報道部、東京本社、大阪本社などで記者として勤め、2002年定年退職。現在、東京中央区の勝どき書房編集委員。主な著書は「狭山事件の真犯人」「三億円事件の真犯人」「新聞記者はなぜ殺されたのか」など。
About this Title
夢道は突然の依頼にびっくりした。ひとから色紙を頼まれたのは初めてだった。それに、たとえ頼まれたとしても、自分が色紙に俳句を書いて渡すほどの俳人にはなっていないと思っていた。おたつの申し出に戸惑いをおぼえながらも、
「では、お預かりします」
といって受け取った。それにしても、いったいどこのだれが夢道の書いた色紙をほしがっているのだろうか。夢道は不思議そうな顔をした。それに気が付いたのか、おたつは、
「いや、知り合いの人なんですが、名前は勘弁してください。ひと月ほどしたら、いただきに来ますんで、書いておいていただけますか。それで、これは、その人から預かったものです。どうか、お納めください」
おたつは、その人からの贈り物ということで、竹で編んだ一輪挿しの掛籠を差し出した。
煤竹で編んだ落ち着いた色合いの掛籠だった。夢道は、頼まれたのが自分でなく、別人だと困るので、おたつに念のために問いただした。奥村商店には、もう一人俳句が好きな、四十歳になる千田重和という番頭がいたのだ。
「わたしでなく、番頭の千田さんの間違いでは?」
というと、おたつは、
「千田さん? 番頭さんの? 違います。橋本さんで間違いないです」
といって、頭をペコペコと下げて、色紙を渡した。おたつ、それ以上、詳しいことはいわずに、
「じゃ、またひと月後にまいりますのでよろしくお願いしますね」
といって帰っていった。
夢道は、だれだか分からない人にどんな句を書いていいか迷った。ただ、夢道はおたつに頼まれた瞬間から、もしかしたら色紙を頼んだのは、あの娘さんではないか、と思った。その女性が瞼に浮かんできた。そうに違いないと思うと、体中が熱くなり、激しく心臓が高鳴り、顔は真っ赤になっていた。おたつがいわないのだからだれだか分からないと理性では思っていても、きっとあの娘だ、そうであってほしい、と願った。(「月やさしいりて芦の中」から)
登録情報
- 出版社 : 勝どき書房 (2010/12/1)
- 発売日 : 2010/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 422ページ
- ISBN-10 : 4434151347
- ISBN-13 : 978-4434151347
- 寸法 : 13.5 x 2.7 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,041,646位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 236,327位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1942年、静岡県浜松市に生まれる。
1961年、明治大学付属明治高校卒業。
1968年、明治大学文学部卒業。朝日新聞に記者として入社。
2002年、同社を定年退職。
2004年、合資会社勝どき書房役員となり現在にいたる。
東京都中央区在住。
主な著書は、
「犯人 狭山事件より」(晩聲社)
「狭山事件の真犯人」(勝どき書房)
「新聞記者はなぜ殺されたのか」(勝どき書房)
「三億円事件の真犯人」(勝どき書房)
「橋本夢道物語 妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね」(勝どき書房)
「狭山事件 50年目の心理分析」(勝どき書房)
「こんばんは、毛利小平太です。-霊談忠臣蔵-」
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
-
トップレビュー