大宜味村では2016年から苗木生産、1次加工、商品開発に力を入れ、カラキの特産品化を進めてきた。同校は同村から調査事業を委託されたNPO法人の依頼で「カラキプロジェクト」を始動。産地振興に向け、加工品開発を進めてきた。
同年10月に優良県産品認証を取得。食品メーカーのオキコ(西原町)や沖縄ハム総合食品(読谷村)などへ連携を広げ、商品価値を高めた。
ケーキには持続可能性の観点から樹皮や根ではなく葉を使用。幸地咲輝さん(17)は「シナモンが苦手な自分にも爽やかで良い香り」と話す。
23年11月に県内のローソンで1個189円、計1万1455個を限定販売。1週間で「95%が売れ、非常に好評だった」(ローソン沖縄)といい、同社は再販を検討するという。
食品以外ではアロマや温浴施設でも活用されるカラキ。消費の開拓と合わせ、大宜味村では優良苗を育成して農家へ無償配布する動きが進む。かつて5人だった生産者は23年には35人に増え、耕作放棄地を活用して現在は約1000本が植えられる。
カラキの栽培や普及に尽力するクガニキッチン(同村)の宮城美和子代表は「機能性などまだ謎の多い植物。食品開発で特産品の地位を高め、沖縄の新素材として広く親しまれてほしい」と話す。
この取り組みをまとめた同校の発表は23年度の日本学校農業クラブ(FFJ)全国大会で文部科学大臣賞を受賞するなど、高い評価を得ている。