【2月11日 AFP】イングランド・プレミアリーグは10日、スカイ・スポーツ(Sky Sports)とBTスポーツ(BT Sport)が、2016年から2019年の放映権を51億ポンド(約9300億円)で獲得したことを発表した。

 激しい争いとなった今回の入札は、参戦が報じられた米国のディスカバリー・ネットワークス(Discovery Networks)やカタールのbeINスポーツ(beIN Sports)との競合をBTスポーツが制し、スカイの牙城にさらに深く割って入った。その結果、放映権料は前回契約の7割増しというすさまじい高騰をみせている。

 スカイは全部で7つのパッケージのうち5つを獲得し、新たに盛り込まれた金曜夜の10試合を含む、シーズン計126試合を放送。BTは残り2パッケージを獲得し、42試合を放送する。

 プレミアリーグの最高経営責任者(CEO)を務めるリチャード・スクダモア(Richard Scudamore)氏は、「資金は今後も世界最高のショーに、新スタジアムに、そして若年層の育成に大量に、投入され続けるだろう」と話した。

「スタジアムがいつも満員なのは、われわれの商品のおかげでもあることを、各クラブはよく承知している。スカイ・スポーツおよびBTスポーツの両社は、ファン拡大に多大なる貢献をしている。同時に彼らのおかげで、クラブには分配金が振り込まれ、チーム、クラブ施設、ユース、そして地域社会に投資をすることができる」

 重要な点としては、スカイが日曜のランチタイムの試合という、おいしい枠を何とか確保したことが挙げられるが、それには代償が伴った。

 英証券会社シティーインデックス(CityIndex)のジョシュア・レイモンド(Joshuya Raymond)氏によれば、「今回のTV契約で一番のリスクをしょい込んだのはスカイだ。高い視聴率が見込める日曜のランチタイム枠など、彼らは重要なパッケージを確保するために、必要以上の資金をつぎ込まなくてはならなかった」との見解を示している。

「私の予想では、スカイの株主は今回の勝利を温かく受け止めるでしょうが、中期的にみると、放映権料が急騰していることの方に大きな懸念を抱きます」

 2012年に結ばれた前回の契約では、スカイは23億ポンドで7つのうち5パッケージを獲得し、現在はシーズン156試合中116試合を英国内で生放送している。

 一方、電気通信会社BTはシーズン38試合の放映権獲得に総額7380万ポンド(約134億円)を投じ、その甲斐あって、携帯電話時代に苦戦する本社の低迷には歯止めがかかった。

 新しい契約では、BTは合計9600万ポンド(約175億円)を支払うことになる。また今回の入札の結果、全体の4分の3以上の試合を1社が独占放送することはなくなった。