スターウォーズ ジェダイナイト II:ジェダイ アウトキャスト
日本語マニュアル付英語版

Text by 朝倉 哲也
22nd Apr. 2002 

ライトセーバーでの大活劇。ビーム兵器は跳ね返すことができる
 2002年4月26日,映画「スター・ウォーズ」をベースにした「スターウォーズ ジェダイナイト II:ジェダイ アウトキャスト 日本語マニュアル付英語版」(以後ジェダイナイト II)が,サイバーフロントより発売される。スター・ウォーズをベースにしたゲームというと,映画のイメージから宇宙船を使ったスペースコンバットなどを連想しがちだが("X-Wing"や"TIE Fighter"などの名作もあったし),本作は一人称視点を基本とする,FPSゲームにアドベンチャー的要素を持たせた3Dアクション/アドベンチャーゲームとなっている。DOS時代の名作"DarkForces"の正当な後継者だといえるだろう。

スター・ウォーズのアナザーストーリー

 ジェダイナイト IIの時代設定はやや微妙な位置付けだが,真っ白の装甲服に身を包んだストームトルーパーや,シンプルな制服の帝国士官,ランドウォーカーやX-Wingなど映画でお馴染みのキャラクターや兵器が登場する。ゲーム中盤では,あのルーク・スカイウォーカーも登場し,主人公を導く大事な役目を果たしてくれるなど,映画ファンにも嬉しいキャスティングを見せてくれているし,原作や映画本編とはやや異なる"外伝"的なものだと思えばいいだろう。
 とはいえ,ゲーム中に流れるBGMなどは,映画そのものの重厚なフルオーケストラサウンドが使用されている。とくにゲームのオープニングで,あのメインテーマが"ジャン!"と流れた瞬間に「おおー,やっぱりスター・ウォーズはこれだよね」と思わせてくれるに違いない。スター・ウォ−ズファンならばそれだけで感動できる演出だ。まぁ一種"本家"が作っているので当たり前だが……。

スターウォーズ永遠のザコキャラ,ストームトルーパー 帝国軍 TIE Fighterの格納庫。上から乗り込むというのが,なんともレトロっぽい 捕虜を使って扉を開かせる場面も登場する。捕虜を撃ち殺してしまうとゲームオーバー

二面性を持ったアクション

映画第一作で登場した,宇宙の酒場を思わせるシーン。もちろんこの場面のBGMは,エイリアン楽団が演奏していたあの曲だ

 ジェダイナイト IIの主人公は,前作同様Kyle Katarnとなっている。タイトルに"ジェダイナイト"と謳ってはいるものの,前作でフォースパワーを封印してしまったため,ゲーム中盤までは一切のフォースパワーを使用できず,ごく一般的なFPSゲーム風な展開となっている。だがKyleがフォースパワーの封印を解いてからは,ジェダイナイトだけが使用できるライトセーバーを手にダークサイドのフォースパワーを操る敵と戦うこととなり,ゲームの雰囲気も変わってくる。
 フォースパワーを使用できるようになると,遠くのものを押したり引いたり,高いところにジャンプできるようになったり,走る速度を速めたりなど,かなり多彩な技を使えるようになる。また,相手の精神に働きかけて,こちらの存在を気づかないようにさせるなどのこともできるので,撃ちまくって血路を開くゲーム前半とはかなり違った展開を楽しむことができるという二面性も持っている
 また,ジェダイナイトの象徴ともいえるライトセーバーは,ビーム性の武器を弾き返すことができるという特徴を持っているので,ビームライフルしか持っていないザコ敵には無類の強さを発揮する。敵の密集する中にライトセーバー片手に乱入して斬りまくる感覚はまるでチャンバラで,これが実に楽しい。クリック連打でコンボ技も決まり,このあたりのことを考慮してか,ライトセーバーに持ち変えると自動的に三人称視点に切り替わるようになっている。視点は一人称にも三人称にも自由に切り替えられるが,やはり三人称視点のほうが,ライトセーバーでのチャンバラをより楽しむことができるだろう。
 では,フォースパワーの使えない前半は楽しくないかといえば,そんなこともなく,ミッションをクリアしていくうちに展開するストーリーや,各所のボタンを押して床を動かし進めなければならないなどのパズル要素も多く,飽きることはないだろう。

 

こちらを狙う帝国軍のランドウォ−カー,銃くらいでは歯が立たない。空にはX-WINGの雄姿も見える でこぼこコンビその一。「ルークさま〜」という声が聞こえてきそうだ でこぼこコンビその二。話し掛けると「ピコピコピー」と電子音で応えてくれる

マルチプレイはまるでチャンバラだ

ダークサイドのフォースを操る強敵 Desaan!

 ストーリーを追いかけていくシングルプレイも十分面白いジェダイナイト IIだが,マルチプレイがこれまた大変面白い。とくにライトセーバーでの斬り合いは,時代劇のチャンバラそのものといった感じで,アクションゲームといえば銃で撃ち合うというのが一般的なだけに実に新鮮だ。このあたりの感じ方は万国共通なようで,マルチプレイでもどちらかといえばライトセーバーのみでの斬り合いをしているプレイヤーが多いようだ(余談だが,ライトセーバーを持ったプレイヤーに銃で挑むと,なぜかこちらが悪いことをしているような気がしてくるから不思議だ。時代劇で,剣を構えた主人公の背後から悪代官がこっそりと銃で狙いをつけているといった感じ,とでもいったらよいのか)。
 また,マルチプレイでもフォースパワーを使うことができるので,普通ではとても跳び上がれないような高さのジャンプが可能となっている。このジャンプ時の独特の浮遊感がとてもいい感じなので,ぜひ試してもらいたい。なお,マルチプレイにおいてフォースパワーを自由に使えないとかなり不利になるので,練習は必須。

 以上,かなり面白いゲームではあるが,現時点では日本語ローカライズされていないのが実に残念だ。ムービーシーンは英語字幕があるのでなんとかなるかもしれないが,パートナーが「敵と交戦中,早く戻ってきて!」などと言う場合は音声のみなので,聞き逃すとパートナーが死んでしまってゲームオーバーになったりする。ストーリーを理解するためにも日本語ローカライズをして発売してほしかったと思うのは筆者だけではないだろう。
 とはいえアクションゲームとして一級品の面白さはあるので,ちょっとぐらい必要とされる英語力をものともしないスターウォーズファンならずとも,ぜひともプレイしてみてもらいたい。

 

酒場での大乱闘。画面右下の丸いメーターはフォースパワーの残量を表示している 各レベルの終了時に表示されるステータス画面。Accuracyが銃撃の正確さを表している 敵の捕虜となった,相棒のJane。彼女にはこの後悲しい結末が…… この人がルーク・スカイウォーカー。ちょっとフケ顔で,「ジェダイの復讐」のころのマーク・ハミルっぽいかな

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■発売元:サイバーフロント
■価格: 8980円(2002年4月26日発売)
■問い合わせ先:サイバーフロント
  TEL 052 (779) 6549
■動作環境:Windows 9x/Me/2000/XP,PentiumII(Athlon)/350MHz以上,メモリ64MB以上,空きHDD容量665MB以上,16MBのメモリを搭載しOpenGLに対応したビデオカード

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