【4921】平内爛漫(ひらないらんまん)【青森県】

2022年10月03日 11時33分
販売=青森県平内町 ストウ酒商、醸造=秋田県湯沢市 秋田銘醸
販売=青森県平内町 ストウ酒商、醸造=秋田県湯沢市 秋田銘醸

 友人から「平内爛漫」というお酒をいただいた。青森県平内町の酒屋さん「ストウ酒商」が、プライベートブランドとして、「美酒爛漫」で知られる秋田県湯沢市の秋田銘醸につくってもらったもの。

 平内町は、陸奥湾に面した漁業の町。養殖ホタテガイの水揚げ高日本一を誇る。その町と秋田県湯沢市との結びつきについて、お酒と一緒についてきたパンフレットは、以下のように紹介している。すこし長いが、転載する。

「弊社のオリジナル日本酒“平内爛漫”は、美酒爛漫でおなじみの秋田県湯沢市の秋田銘醸株式会社で製造されています。平内町と湯沢市とは同市出身の故山本護太郎理学博士がホタテ養殖技術の確立に大きく貢献された縁で交流が始まりました。
 山本護太郎先生は、東北大学理学部を卒業後に青森水産実験所(浅虫)でホタテ養殖研究に従事し、世界ではじめてホタテの人工産卵に成功。陸奥湾ホタテ養殖の基礎を築いた偉大な方であります。その功績を讃えて青森県漁業協同組合連合会では『山本護太郎賞』を創設してホタテ養殖業発展に貢献している漁業者を表彰しております。
 現在も先生は漁業者から慕われており“養殖ホタテ日本一”の平内町漁業組合が中心になり、出身地の湯沢市と交流が深められています。ホタテ養殖先駆者のご縁により交流が始まった青森県平内町と秋田県湯沢市。弊社と秋田銘醸株式会社も日本酒が交流の架け橋役を担っております。
 “平内爛漫”は、飲み味スッキリタイプの少し辛口に仕上げられており、キャッチフレーズも《ちょっと辛口 平内仕様》と称し、味も良く価格もお手頃と好評を博しております。“平内爛漫”のご愛飲により秋田県湯沢市との交流が更に深まるものと願っております」

 さて、いただいてみる。まずは、冷蔵庫で冷やした冷酒で。上立ち香は、アルコール感がほのかにある。さらりとした口当たり。やわらかさ、やさしさも感じられる。最初のアタックは甘旨みをすこし感じるが、中盤から辛みがやや出てきて、余韻もすこしの辛み。「どうだあ!!!」という、コテコテの辛口酒ではなく、甘旨みを伴うやさしい辛口酒だとおもった。酸はほのか。普通酒にありがちな、臭みやベタつき感などマイナス部分はまったくない。キレも良い。これは驚きだ。きれいで品のある、スーパー普通酒ではないか。食中酒や毎日の晩酌酒に最適とおもった。

 次に燗酒でいただいてみる。温度は45℃の上燗。すっきり、さっぱりとした口当たりで、冷酒のときより辛みが良く出ている。また、冷酒のときより酸も出てきており、味に幅が出てきた。30℃くらいの燗冷ましの温度帯になると、酸がより出てくる。冷酒も燗酒もどちらも良い。

 日にちをあらため、今度は室温(28℃)でいただいてみた。上立ち香に、アルコール香をわずかに感じる。やさしく、ふくよかな口当たり。甘酸っぱい味わいで、やや軽快。クセが無く、まったく飲み飽きしない。食中酒に最適。そのまま、ずっと飲み続けていたら、甘みが姿を消し、辛みが次第に出てくるようになる。味の要素は辛み・酸・すこしの旨み。いずれにせよ、とんがった味ではなく、やさしい味わい。
 さらにさらにだらだら飲み続けていくと、旨みが適度に感じられ、辛みと酸のバランスが非常に良く感じられる。余韻は辛みがやや強く長い。酸が次第に良く感じられるようになり、舌の両側から酸がじゅわじゅわ入ってくる感じ。普通酒なのに、くどくならずキレが良いのがすごい。まさしくスーパー普通酒。「冷酒」「燗酒(上燗)」「室温」の3通りで飲んでみたが、個人的には「室温」がわたくしの口に一番合っていた。

 瓶の肩ラベルには「ちょっと辛口」「ひらない仕様」と書かれている。また、ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、醸造アルコール、アルコール分15度以上16度未満、製造年月21.12」

 秋田銘醸のホームページによると、「爛漫」という酒名は、1923(大正12)年3月15日、公募により名付けられた。

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