数々の作品で主演に抜てきされ、90年代から第一線で活躍し続ける俳優の反町隆史さん。演技力の高さと完璧なルックスにくわえ、気さくな性格も魅力的。この春、最新作として、2022年4月9日(土)放送・配信予定の『WOWOWオリジナルドラマ 今どきの若いモンは』で、主演を務めることが発表されました。

フレッシャーズやビジネスマンの間で話題を呼んだ吉谷光平原作の漫画を実写化した本作では、三ツ橋商事に勤める営業課長、石沢一役に扮する反町さん。ここでは番組の見どころをはじめ、現代社会を生き抜くコツについて聞いてみました。これから新社会人になる人だけでなく、ベテラン勢もぜひ参考にして。

反町
Cedric Diradourian

――本作はどんな人に観てほしいですか?

反町隆史さん(以下、反町):福原遥さん演じる新卒の麦田は、真面目すぎる性格がゆえに社会の壁にぶつかってくる役柄。若手社員の目線で描かれているので、これから社会に出る若い人や、つい頑張りすぎてしまう人たちに観てほしいですね。

――原作を読まれた感想をお聞かせください。

反町:原作と台本を照らし合わせながら何度も読み返すことで、僕が演じる石沢課長はもちろん、キャラクターそれぞれに魅力を感じました。若手だけでなくあらゆる世代の方に共感してもらえると思います。

――ドラマ化において、どのように役作りしましたか?

反町:原作に対してどのシーンが忠実であるか、また若手の心を掴む石沢のセリフを自分なりに解釈したうえで役作りに臨みました。福原遥さんや中村海人さんなど若手俳優たちとの掛け合いも楽しかったですね。

反町隆史
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――「今どきの若いモンは」が口グセの石沢課長はクールだけど情にも厚く、部下思い。ご自身と重なる部分は?

反町:相手の立場になって困っている人をサポートしたり、優しい言葉を投げかけたり、そういった石沢の思いやりは人として素晴らしいと思います。自身も日頃からそうありたいですね。

――課長を演じるにあたって印象に残ったセリフは?

反町:たくさんありますが特に印象に残っているのが、若手に厳しい指導をする恵比寿課長に対して、「お前もたまには甘くしてみたらどうだ? ココアみたいに」というセリフです。部下を育てる中堅にとって胸に刺さる言葉なのではないでしょうか。

――(原作を含めて)お気に入りのシーンは?

反町:(クランクイン前に読んだ原作のシーンで)麦田がスマホとPCメールの連動を持木課長に提案するのですが、聞く耳を持たず拒否されてしまいます。それを見ていた石沢が、「すごいな麦田、教えてくれないか?」 「若手に教わらないとどんどん時代遅れの何もできない老人になる」と歩みよるシーンが好きですね。

若手社員がデジタルを取り入れるなかで、それを否定するのはでなく受け入れあう姿がほのぼのしているというか。新入社員だけでなく「キャリアの長いベテラン勢であっても、常に学ぶ姿勢が必要なんだ」と実感させられました。

反町隆史
Cedric Diradourian

――昭和、平成、令和で働き方の価値観が異なりますが、世代間のズレを埋めるにはどんな心掛けが大事だと思いますか?

反町:コミュニケーションに限ります。たとえネット社会であっても、人にやってもらったことや感謝の気持ちは人間関係をつくるうえで必須ですから。ちょっとした思いやりはどの世代にも響くものです。

――麦田役の福原遥さんとの初共演は?

反町:石沢役はわりと振り幅が広いので、良い意味でクセのない普通の女の子を演じてもらえたのがやりやすかったですね。

――舟木俊役の中村海人さんの印象は?

反町:人見知りなところがあって、少し緊張していたように思います。でもそこが人間味があり、俳優としても魅力を感じましたね。

反町隆史
Cedric Diradourian

――撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

反町:これまで同世代の方とご一緒することが多かったのですが、本作では若手やベテランが集まってひとつの作品をつくるのが新鮮でしたね。世代間は異なっても目標は同じなので、みんなで楽しく撮影に挑めました。

――若手俳優にアドバイスをすることもありましたか?

反町:アドバイスかどうかはわからないけど、石沢課長みたいにサラッと押し付けることなく(笑)。

――ドラマの若手社員さながらに、仕事で落ちこむことはありますか?

反町:あまり落ち込まないんです(笑)。うまくいかなくて反省することはありますが、ネガティブにならないよう心がけています。

反町隆史
Cedric Diradourian

――うまくいかないときはどうやってモチベーションをあげますか?

反町:次の目標を見つけます!

――これまで数々の主演を務めてきた反町さんですが、若手の頃に先輩や監督からどんな言葉をかけられましたか?

反町:「器用にやるなよ」と、よく言われましたね。今思えば「若いからこそ、感情を素直に表現しなさい」ということだったのかな。

――第一線で活躍するために反町さんが行っているルーティンを教えてください。

反町:早起き!  20代の頃はそうでもなかったけど、ここ10年以上は早めに起きて早めに寝ることを心がけいてますね。

――仕事でのモットーはありますか?

反町:「何事もバランス」じゃないかな。すべてに対して120点を出すのも大切だけど、70点でもいいからそれを取り続けるというか。自分に厳しすぎると疲れてしまいますから。

――子供の頃になりなかった職業を教えてください。

反町:小学校の卒業アルバムに、サッカー選手と漁師って書いていましたね。

――俳優でなければ何をやっていたと思いますか?

反町:釣りが趣味なので、漁師になっていたかも!

――幸せを感じる瞬間は?

反町:わかりやすく大きな幸せというより、自分の心を満たすような小さなことに幸せを感じます。「この瞬間、なんかいいな」みたいな。ささいなことかもしれないけど、それが一番幸せなんじゃないかな。

反町隆史
Cedric Diradourian

――“今どきの若いモン”と“キャリア世代。それぞれが気持ちよく現代社会を生き抜くためのアドバイスをお願いします!

反町:あまり頑張りすぎずマイペースにやること。娘にもよく言っていますが、ときには全力でがむしゃらになることも必要だけれど、何事も継続するためには「頑張りすぎない」ことも大事!

『WOWWOWオリジナルドラマ 今どきの若いモンは』

反町隆史
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新入社員からベテランまで楽しめる、お仕事応援ドラマ

舞台は三ツ橋商事。反町演じる伝説の課長・石沢一は、一見コワモテで近寄りがたいキャラクラー。ベテランの威圧感からか若手社員からは、すれ違っただけで「すみません!」と言われてしまうほど。さらに若手たちは残業にあけくれ、「働き方改革の旨味なんて俺たちに降りてこない」、と嘆く日々。そこで石沢が彼らにある言葉を投げかける。「……ったく、今どきの若いモンは」。また説教かと思いきや、その先には驚くような言葉が……。

ヘアメイク:iNOMATA (&’s management)
スタイリスト:吉野誠
衣装クレジット
ジャケット¥103,400(タリアトーレ/伊勢丹新宿店 tel.03-3352-1111) カーディガン¥34,100、クルーネック¥27,500(ともにスローン tel.03-6421-2603) パンツ¥73,700(カナーリ/コロネット tel.03-5216-6521)、時計¥787,000(パネライ/オフィチーネ パネライ tel.0120-18-7110) その他 スタイリスト私物

Photos:Cedric Diradourian
Text: Megumi Otake