1990年代に「学園祭の女王」と呼ばれ、『東京ラブストーリー』『振り返れば奴がいる』『夜逃げ屋本舗』など、数多くの人気ドラマに出演した千堂あきほさん。第2子出産を機に夫の実家がある北海道に移り住み、現在は3世代で暮らしています。華やかな芸能界から、自然豊かな北海道に拠点を移すきっかけとは何だったのでしょうか。「生きる力が養われる」という子育てについても聞きました。

「北海道で里帰り出産」のつもりが

 『東京ラブストーリー』では好きではない男性とのハネムーンから逃げ出す女性、『振り返れば奴がいる』では有能な麻酔科医、と人気ドラマでの熱演が印象的だった千堂あきほさん。2000年にスキューバダイビングの指導者だった現在の夫と結婚し、活動の拠点を関西へと移しました。08年に第1子(長女)、11年に第2子(次女)を出産し、現在は夫の実家がある北海道で暮らしています。東京から関西、北海道へと軸足を移すきっかけは何だったのでしょうか。

 「出産前からお世話になっていた兵庫県の産科で長女を出産し、次女も同院で出産するつもりでした。ところが、人員不足で閉院されることになったんです。そこで同じ理念を持ち、助産師さんからのケアに力を入れている北海道の産婦人科を紹介してくださることになりました。とにかく子どもが無事に生まれてほしい、北海道なら夫の実家もあるしありがたい、と北海道で出産することになりました」

 ただ、当初はずっと北海道に住むつもりはなく、「あくまで里帰り出産」のつもりだったそう。11年の2月に北海道に渡り、予定日を待つ千堂さんに想定外の出来事が起こります。3.11──東日本大震災でした。

 北海道でも大きな揺れを経験し、不安な日々を過ごしたと言います。

90年代を中心に、数多くの人気ドラマやバラエティーに出演していた千堂あきほさん。「当時はスタッフたちと、『千堂あきほ』という作品を作っていた感覚でした」
90年代を中心に、数多くの人気ドラマやバラエティーに出演していた千堂あきほさん。「当時はスタッフたちと、『千堂あきほ』という作品を作っていた感覚でした」