「私が描く、選ぶ、動き出す。」―― 新生・日経xwoman(クロスウーマン)がスタートしました。変化の速い時代、私たちはどんな選択をしてどんな道を歩んでいくのか。自分らしく動き出そうとする私たちの一歩を語り、世代を超えて、次の勇気や力につながっていくサイトを目指しています。

本特集では、この1~2年に仕事や生活面で大きな「変化」を経験している方たちの声を集めました。各界で活躍する11人をインタビューしたほか、300人以上の読者にアンケートを実施。特集第12回では、久保田智子さんに話を聞きます。TBSを退職した後、米国の大学院で学んだ経験について聞きました。

(上)久保田智子 「変化が好き」TBS退職→渡米→大学院へ ←今回はココ
(下)特別養子縁組で母親になることを選択 久保田智子

「私は変化が大好きなんです。でも、変化に恵まれ過ぎると器用貧乏にもなってしまいがちですよね」
「私は変化が大好きなんです。でも、変化に恵まれ過ぎると器用貧乏にもなってしまいがちですよね」
●久保田智子さんの「変化」
・2015年、結婚し、約2年後にTBSを退職
・2016年4月、渡米
・2017年9月、コロンビア大学大学院入学
・2018年12月、帰国
・2019年1月、特別養子縁組で娘の母親になる
・2019年4月、東京大学大学院に入学
・2020年12月、TBSに復帰

●背景
・結婚による状況の変化
・今後10年間の「やりたいこと」を探したかった

●今の自分を支えるもの
・研究や番組作りを通じ、家族の在り方を探求したいと思う気持ち

変化を求め、退職 夫と共に渡米

 TBSでアナウンサーを務め、現在は同社の報道局に勤務する久保田智子さんは「変化が好き」だと言う。特にここ3~4年は大きな変化をいくつか経験した。まずは、会社を辞めて、2016年4月に夫と米国に渡ったことだ。

 アナウンサーや記者として働いている間、2~3年に1度、小さな変化があった。「番組が変わる、部署が変わる。記者として働く所属部署も、外信部や政治部への異動がある。このコロコロ変わる感じが私には合っていたんです。例えば担当していた番組が終わることになると、周りは『終わっちゃうのか』と残念そうに言うのに、私は寂しさ半分『次も楽しみ!』と思うタイプでした」

 しかし、勤続年数が15年目を超えた頃、はたと気づいた。

 「変化に恵まれ過ぎると器用貧乏になりやすいんです。ふと我が身を振り返って、『オールマイティーにある程度はこなせるけれど、何か特定の専門家であるという手応えがない』という思いが湧いてきました」

 「今後10年間、自分が主体的にやりたいことができる環境に身を置く」と考えたが、それを社内で見つけられなかった。「今の場所から離れて、新しい何かを見つけられるといいだろうな」―― と思うように。当時、38歳だった。

 2015年4月、今の夫(他局の記者)から「来年から米国ニューヨークに赴任するので一緒に来てほしい」とプロポーズを受けた。つい開口一番「(米国の)大学院に行くとかはそそられるねぇ」と返事をしてしまったそう。そして結婚。退職を決めて、渡米する。