トップをひた走る人気声優が語るプロ論
声優であり続けるための努力はひとつも苦じゃない
ちゃんと“声優でありたい”と思うからこそ、いつまでも壁を感じます。もう壁だらけですね(笑)
「声優業を続けていく上で『僕は今、何をすべきなんだろう?』と悩むことはよくありますし……、まさに壁だらけです(笑)。それでも辞めたいと思ったことは、これまで一度もありません。声優であり続けるための努力に関しては、まったく苦とは思わないんですよね。変な言い方かもしれませんが、声優業は“やりたいこと”であって、いわゆる“働く”とはまた違う感覚なのかなと。
そんな風に思うのは、なかなか役をもらえなかった下積み時期を経験して“やれない苦しみ”の方が圧倒的に強いからだと思います。声優をやりたい、やり続けたいという思いだけでここまで来ましたし、僕にはそれしかないので。とはいえ、“他の経験も積んだ方がよかったかな”と思うこともありますよ。例えば会社員の役であれば、実際に会社員経験のある役者さんが演じた方が、絶対にリアリティが出せるわけで。職務経験でなくても『日本一周の旅をした』とか『大学生活を送ったことがある』とか……バイトと養成所でしか社会経験のない僕の目には、人生経験豊富な方はすごく魅力的に映るし、羨ましく感じます」
「すべてが声の芝居に生きる」と考える梶さんは、バラエティ番組やYouTube、自身のアパレルブランドのプロデュースまで、幅広い分野での“経験”に挑戦し続け、そしてその度、自分がやる意味や求められることを考えて真正面からぶつかってきた。
「例えばバラエティ番組に呼んでいただいた際、“トークに面白さを求められているのだろうか?”とか“面白さよりも真面目な話をした方がいいのかな?”とか、色々考えすぎて悩んでしまって……そう、僕はかなりめんどくさい人間なんです(笑)。どんな仕事も『声優としての勉強』と思って挑戦してはいるけれど、やっぱり、やってみたからこそわかる得意不得意や好き嫌いもあるじゃないですか。
一方で、ストイックに声優業だけをやり続けられている先輩方もたくさんいらっしゃって、それって本当に素敵で、すごいことだなと。今は時代の変化もあって、ジャンルを飛び越えて様々なことに挑戦させていただける機会も増えて……、だからこそ出会えた役だってきっとあるんでしょうし、何が正しいのかは正直わかりません。でも、やらせていただくからには、そのすべてに、声優としての覚悟と責任を持って臨みたい。違うフィールドにお邪魔する時ほど、強くそう思いますね。どんな経験もすべて無駄じゃない。だからこそ、たとえ悩んでも、失敗したとしても、色々なことに挑戦したいんです。その上で“やっぱり梶は声の芝居が最高だ”と思っていただけたら、それ以上の喜びはありませんね」
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