ローレンスを演じるうえで意識したこと
はい。たまたま見かけたWEB広告に惹かれて読んでみたのですが、最初はバトルものなのかな?と思っていたんです。ピュアな聖女と腹黒な牧師がライバル関係にあるような物語なのかなって。ところが、読んでみるとそんな気配は一ミリもなくて、荒んだ心を癒やしてくれるヒーリング効果抜群の漫画でした。僕も、読んだときがちょうど疲れているときだったので、すっかりハマってしまいました。
――聖女セシリアと牧師ローレンスがずっとのほほんといちゃいちゃしてますよね。恋人でもないのに(笑)。
そうなんです。街の聖女さまとして普段は完璧なふるまいをしているセシリアが、ローレンスの前でだけは気を抜いてぐでーっとしている、というのが個人的にめちゃくちゃいいなと思っていて。ローレンスのことが大好きで甘えまくっている、その姿にときめきます。当のローレンスはまったくセシリアの気持ちには気づいていないんですけど。
ローレンスは、自分にとって大事なものを過剰に守ろうとしてしまう。優しいというよりは過保護な彼の性格はどんなふうに培われたんだろう?というのは、演じるうえで意識していることです。もちろん、生まれ持った性質もあるだろうけれど、人が「こういう性格だよね」と認知される特徴を確立するには、それなりの背景があると思うんです。家庭環境、目指してきたもの、友人関係……さまざまな要因が積み重なって、人の性格というのは形作られていく。キャラクターの今だけでなく過去にも思いをはせることで、表現できるものもあるんじゃないかな、と。
――過保護、という一面に着目することで、声の出し方も変わるんでしょうか。
オーディションのときは、僕自身の最大限柔らかい声で挑んだのですが、それについてはもう少しお兄さんっぽい感じで大丈夫と言われました(笑)。なので今は、特別いつもと変えているつもりはありませんが、圧の強さは抑えるようにしています。