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声優・石川界人「正直、不安と焦りも感じている」30歳目前の今、思うこと

“無自覚いちゃラブコメ”として話題の人気漫画『白聖女と黒牧師』がTVアニメ化。放送スタートを記念して、牧師・ローレンス役を演じる石川界人さんに全3回にわたってインタビュー! 最終回となる今回は、今年30歳を迎える石川さんが今、考えていることについて。<vol.3>

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負けず嫌いで完璧主義だからこその生き抜き方

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――お話を聞いていると、石川さんはけっこう負けず嫌いなのかなって。

めちゃくちゃ負けず嫌いです。完璧主義でもありますし。

――そんな気がします。だから、批判的な意見や、お叱りを受けても、絶対にそれを受け止めて乗り越えようとするのかな、と。

ただ、意固地でもあるので……。今回『白聖女と黒牧師』でご一緒した姫さま(澤田姫さん)みたいに、何を言われてもその場でフレキシブルに対応できる人は、そもそも器が大きいと思うんです。どんな言葉も状況も全部受け入れて、その大きな器のなかで自分なりに混ぜて、素敵な色をつくりあげていく。だけど僕の器は、正直とても小さい。だから、一度に受け止められるものが少ない分、こぼれたものを拾うための器をいっぱい用意しておかなきゃいけないと思うんです。

――どうしたら器を大きくできるかを考えるのではなく、小さいままキャパを増やしていくってことですよね。すごい、斬新な発想。

そうですか?(笑) お芝居をする人ってよく「感情や経験の引き出しをたくさんもつ」みたいな言い方をされますが、器の大きい人って、大きな引き出しのなかにあれこれ入れておける人だと思うんです。でも、僕にはいろんなことを一気に引き受ける度量はないから、小さい引き出しに細々詰めていくことで、どうにか武器を増やしていくしかない。足りないものに気づいたら、その都度、反省と改善をくりかえしながら、前に進んでいくしかないんです。
――MCのお仕事など、声優以外にも活動の場を広げていることで、武器を増やして成長している感覚はありますか?

成長しているかどうかは、誰かに判断してもらうことだと思うので、自分ではよくわからないですが……。人と話す機会が増えたことで、相手の目を見てコミュニケーションをとれるようになって、「聴く」という姿勢に対する意識は変わってきたかなと思います。ただ、番組としての完成度を高めるためには、ゲストの方に気持ち良くお話しいただいて、テンポよく進行できて、なおかつお客さんが大笑いできる満足度がなきゃいけないと思うんです。それはまだまだできているとは言い切れないですかね。

――謙虚……というかそれもまた完璧主義ということなんでしょうね。

あはは(笑)。声優の仕事を始めてから、少しでも問題を見つけたら解決していかなきゃという姿勢は強くなった気がします。でもそれは、尊敬する先輩方がみなさん、常に理詰めで物事を考えて、自分に何ができるか、何をするべきか、考え続けていらっしゃるのを見てきたから。今は、先輩だけでなく後輩にも尊敬すべき人たちがたくさんいるとわかったので、現状の自分に「ここが成長しました!」なんて言って、満足してはいられないです。
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