声優という憧れの職業に就き、今でも「好きなことを周りに伝えるようにしている」と語る羽多野さん。積み上げてきたキャリアの中で、心を突き動かされたもの、思い出深いエピソードなどを、思いのままに語っていただきました。第2回目となる今回は、夢を実現するために必要なことや、声優と音楽を両立するときの楽しさなどを伺いました。
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小学生の頃からずっと自分の夢を疑わなかった
「目指すものをイメージして、それを疑わないことだと思います。僕は中学や高校に進んでからも『声優になりたい』と家族や友だちに言い続けていたので、最後は親のほうが『この子は絶対に諦めないな』『一度やらせないとダメだ』と根負けしたようで、18歳のときに長野から上京したんです。『自分は声優になれる』『絶対に声優になる』とずっと思っていて、自分を疑わなかったんですよね」
「壁にぶつかっても、『挫折の1つや2つあったほうが、夢を叶えたときの話に信憑性があるもんな。だからがんばろう』と考えていましたね。結局、壁にぶち当たっても諦めないという(笑)。たぶん思い込みなんでしょうね。自分がイメージ通りの姿になれると思い込んじゃうんです」
願い続ければ人生が好きな方向へ進んでいく
「好きなものを頭のなかでイメージし続けると、そのイメージが引き寄せられて、自然と自分の人生が好きな方向に進んでいくことってあると思うんです。向こうがこちらの存在に気づいてくれるのかもしれません。“そこまで好きなら、こっちに来いよ!”と」
声優になってからも、“思い続けたら願いが叶った”という出来事に遭遇したそう。
「『この漫画が面白くて』という話をラジオでしたら、数人のリスナーさんからSNSを通じて原作者の方に想いが伝わり、その方から『一緒にお仕事しませんか』というお手紙をいただいたことがありました。僕としてはそんな風になるなんて思ってもみなくて、ただ好きなことを言葉にして、一方的に愛を語っていただけなんですけどね。好きっていう気持ちは人と人を結んでくれるのだと思います」