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妻夫木聡さんに5つの質問「30代は、妻夫木さんにとってどんな10年でしたか?」

妻夫木聡さんへ5つの質問「30代になってみると、『あ、子供のままでいいんだ』と思えた」

デビュー当時からずっとトップ俳優のままだ。“新人”の役を演じながら、成長物語の主役が似合っていた20代から、映画、ドラマ、舞台とあらゆる分野で話題作や問題作に次々出演し、世界にも飛び出していった30代を経て、12月でついに40歳を迎える――。

with12月号では妻夫木さんにこれまでの道のりから現在放送中の「危険なビーナス」の話までじっくりとお話を伺っています。今回は妻夫木さんに聞いた5つの質問をご紹介!
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シャツ、パンツ(参考商品)/マルニ(マルニ表参道)

Q1 今年はエンタメ受難の年でした。色々大変なことがありましたけど、ご自身の中に意識の変化はありましたか?

A:大変なことが起きた時、エンタメというのは最初に切り捨てられるものなんだなあというのは身をもって感じました。でも、再び立ち上がる時に助けになるのもまたエンタメなんです。

人ってどうしても弱い生き物だから、どんなに強い人間でも何かしらの助けは必要で、ちょっとした心の支えになるという意味では、エンタメって重要なんじゃないか。重要な何かを担っているんじゃないかと思うんです。

Q2 30代は、妻夫木さんにとってどんな10年でしたか?

A:20代は“大人になりたい症候群”というか、どこかで虚勢を張ってる部分があった気がするけど、30代はまたバカになれたんです。10代の頃の感覚に近くて、すごく遊べた年代のような気がするかなぁ。「早く大人にならなきゃ」とか思っていた割には、実際になってみると、「あ、子供のままでいいんだ」と思えた。

大人になるためには責任感を持つことも必要だからと、20代後半は無駄に頑張っていたところもあると思う。「座長として」「ヒットするためには」「現場を盛り上げるためには」「視聴率を取るためには」とかいろんなことに気を回し過ぎて、本来考えるべき芝居のことを考えられていなかったかもしれない。

29歳で「悪人」をやった時、クランクアップ後に、「あ、役のことしか考えてなかった!」って思ったんです。演じることが全てで、役者は余計なことを考え過ぎず、純粋に作品を楽しめばいいんだって。

Q3 一つのことを継続するためにはどうすればいい?

A:飴と鞭を使い分ける(笑)。10 のうち、8自分をいじめたら、2は可愛がってあげること。ストイックになるのはカッコいいけど、それじゃ持たないんです。自分へのご褒美を決めるといいと思うし、あとは友達に会うとか、お喋りすることは無理してセーブしない方がいいと思います。

僕も、久しぶりに友達に会って、「最近、顔疲れてない?」と言われて、ハッと自分の荒んだ精神状態に気づくとか、特に独身時代はよくあったので(笑)。毎日自分の顔を鏡で見ていると、微細な変化に気づけないし、何が本当の自分かわからなくなっちゃう。でも、一緒にいてバカになれる友達と会うと、ゼロの時の自分に気づかせてくれるんです。

Q4 何かにチャレンジしながら、気持ちを前向きに保つコツは?

A:我慢しないこと。我慢って、相当体に良くないと思う。でもその一方で、仕事でも趣味でも英会話みたいなことでもなんでもいいんだけど、自分のために何かに取り組む時、苦しむことは絶対に大切! ただ楽しんでるだけじゃ、自分の蓄積にはならない。

僕も、この仕事楽しくてやってますけど、毎回毎回「楽しいぜ!」という感じではないんです。基本的に苦しいことの方が多い。役作りなんかはずっと悩みながらやっていて、全体としては楽しいというだけ。何かを身につける時、ある程度の努力は必要なんだけど、ただ、それが好きなことなら努力を努力だと思わないでいられる。

だから、好きなことと出会えるかどうかも大事なのかな。自分のために何かをするというのは絶対にプラスになることだから、めげずにやって欲しいですね。
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