今後は「恋愛モノ」へのチャレンジも視野に⁈  漫画家・中丸雄一としての野望とは?

今後は「恋愛モノ」へのチャレンジも視野に⁈  漫画家・中丸雄一としての野望とは?

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INTERVIEW
2023.11.19

今年6月に念願の漫画家デビューを果たした中丸雄一さん。『月刊アフタヌーン』での短期集中連載『山田君のざわめく時間』が早くも単行本として発売されることが決まり、これまでも多方面で才能を発揮してきたアイドルの新たな一面に注目が集まっています。ボイスパーカッション、イラスト制作、動画編集、そして漫画。多忙なアイドルでありながら、次々と特技を増やせる理由とは?  漫画制作の裏話はもちろん、目標を叶えるために地道に努力を続けるコツを語ってもらいました。随所に中丸さんの実直な人柄が伝わるインタビューを前後編に分けてお届けします。

後編となる今回は、フィルムカメラで撮影された写真とともにインタビューをお楽しみください!

——昨今はwithの読者にも、やりたいことを実現するために転職したりフリーランスになることを希望する人が多いですが、中丸さんは本業を続けながら漫画家デビューを果たしました。とても難易度の高いミッションだったと思いますが、どうやって周囲の人たちを説得したのでしょうか?


中丸さん(以下敬称略)「やっぱり人って、相手の本気度を見ると思うんですよ。だから自分の希望を通したいのであれば、相手の想像を超えるくらいの熱量を見せたいですね。僕も漫画の連載を始める前に社内でプレゼンをしたのですが、自分がマジであることを伝えるために10話分ぐらいのサンプルを描いて提出したんです。

それだけ準備しておけば“口だけ”じゃないことを分かってもらえるし、実際に事務所の人たちも納得してくれたし、出版社の人たちにも安心してもらうことができたと思います。とにかく自分の手で準備することが大事ですよね」


——チャンスが巡ってきた瞬間にクオリティの高いサンプルが出せるだけの実力を磨いておくことも大切ですね。

中丸  「そうですね。動画の編集も、あらゆるプラットフォームが出てきている時代なので、『いつか必要とされるだろう』という下心があって始めたことなんですよ。

どうせなら他の人より上手くなりたいと思って頑張っていたら、たまたまコロナ禍だったこともあり、事務所内でもYouTubeに対する風向きが徐々に変わって、チャンネルを立ち上げることになったんです」


——漫画の連載を始めてから、KAT-TUNやYouTube のメンバーから感想を伝えられることはありますか?



中丸  「ほぼないです(笑)。読んでいるのか、読んでないのか分からないですね」



——身近に個性的な人がたくさんいると思いますが、漫画のネタを作るうえでインスピレーションを与えてくれる人はいますか?



中丸  「やっぱりキャラクターの設定とかは無意識レベルで身近な人たちの影響を受けてると思いますね。なんなら主人公の名前だって、プレゼンのタイミングでは”山田涼介”で出してますから(笑)。

覚えやすい名前だったら何でもよかったのですが、鈴木でも田中でも斎藤でもなく、山田という名前が浮かんだのは、やっぱり身近に山田がいるからでしょうね」


——主人公の山田君は、毎話、ざわざわする経験を通して人生の教訓を得ていきます。普段、中丸さん自身が心がけている「楽しく生きる秘訣」はありますか?

中丸  「最近気づいたのですが、やっぱり新しいことに挑戦している時期って、仕事全般のモチベーションが上がっているんですよね。会社によってルールは違うし、ダメだと言われる範囲も違うと思うのですが、打開策を考えているだけでも楽しいんですよ。

自分が行動することで少しでも状況が前に進むと達成感を味わえるし、自己肯定感も上がる(笑)。だから今後も新しいことに挑戦することから逃げてはいけないと思っています」

——今後、アイドルとしてファンの気持ちに寄り添い、多くの人を喜ばせてきた経験が、恋愛漫画としてアウトプットされる可能性はありますか?


中丸 「正直に言ってしまうと、僕はアイドルっぽい振る舞いがめちゃくちゃ苦手なんですよ。ちゃんと乙女心も分かっているとは言い難いですね……。だから、恋愛漫画を勧められたら描いてみたい気持ちはありますが、絶対に良い作品にはならないはず(笑)。

今回、単行本用に作ったエピソードに恋愛っぽいものがあるので、それを読んでジャッジしていただけたらと思います」


——ラブストーリーを期待しているファンは多いと思いますよ。


中丸 「まだ漫画家として活動を始めたばかりですし、今後どこに伸びしろがあるかわからないので、すべての可能性を視野に入れていきたいですが、とはいえ、きっと恋愛モノは描かないですね。現時点ではギャグ漫画のほうが適性があると思っています。恋愛は自信がないな……」


——亀梨和也さんや山田涼介さんをはじめ、身近に恋愛漫画の主人公っぽいスーパースターがたくさんいるので、ネタには困らないそうじゃないですか。


中丸 「そうなんですけど、彼らを漫画にしようとすると、取材しなきゃいけないじゃないですか。絶対にウザがられますよ(笑)。今後しばらく漫画は自分自身をベースに描いていきたいので、なおさらギャグ漫画かな」



——漫画家としてプロデビュー2年目のビジョンを教えてください。



中丸 「今の僕は、描けば描くほど上達できる時期だと思うので、まずは引き続き向上心を持って漫画を書き続けたいですね。そして、作品を出した後にいろんなジャンルの人とコラボレーションしてみたいですし、多方面に広がっていくような漫画を作れたら嬉しいです」


——広がり方のひとつに『山田君のざわめく時間』の映像化があると思いますが、そうなった場合は主人公は自分で演じたいですか?


中丸 「いや、やりたくないですね。映像化するなら高視聴率を狙いたいので、やっぱり主人公は山田涼介に託したいと思います。後輩とはいえ、普通に断られちゃうかもしれないですけど(笑)」 

インタビューでは、とてもマイルドな語り口ながらも、明確なビジョンや強い意志がしっかりと伝わるシャープな言葉選びが光っていた中丸さん。着実にキャリアを重ねてきたアーティストだからこそ、の俯瞰から生まれる仕事観はきっとみなさんへのヒントになるはず! そしてつい「うん、うん」と共感してしまうポイント満載の単行本『山田君のざわめく時間』もどうぞお楽しみに。


<PROFILE>

1983年生まれ。2001年にKAT-TUN結成、2006年にCDデビュー。音楽活動、お芝居などに加えバラエティ番組でも活躍。日本テレビ系列「シューイチ」、テレビ朝日「家事ヤロウ!!!」、ABCテレビ系列「朝だ!生です旅サラダ」などに出演中。グループ活動の傍ら、二宮和也さん、山田涼介さん、菊池風磨さんと共にYouTubeチャンネルを運営。同チャンネルでは、動画編集を担当している。

「山田君のざわめく時間」 第一話を試し読みいただけます!

↓↓ ボタンをクリック後、コミックの画面を横にスクロールしご覧ください。(登録などは不要です。すぐにご覧いただけます!)

<あらすじ>

「エレベーターでの正しい立ち位置は?」

「友達がする、興味のない話を傷付けずに切り上げるには?」

「マッサージ店で凝っている場所をうまく伝えられない……」

毎日の中で起こる様々なことが、とにかく気になってしまう青年・山田雄一(おいち)。彼の心の中は、気遣い、疑問、シミュレーションがあふれていた。

日常の中に潜む「ざわめく」瞬間をきりとる、味わい系日常ショートストーリー。アフタヌーン掲載話に単行本でしか読めない80ページ超を加え、単行本化。


『山田君のざわめく時間』 中丸雄一

発行 講談社

発売日 2024年1月23日(火)

判型 四六判ワイド

通常版 定価 税込990円

電子限定特装版 定価 税込1,320円

ISBN 978-4-06-531451-7

PHOTO:MOTOHIKO HASUI HAIR&MAKEーUP:KOICHI TOYOFUKU STYLIST:AYUMI KAWAHARA INTERVIEW:SATOSHI ASAHARA

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