田中圭 秘密を共有する瞬間【vol.1】

田中圭 秘密を共有する瞬間【vol.1】

#ドラマインタビュー
#田中圭
INTERVIEW
2023.6.19

愛とは違いを知って、認めること 田中圭

大なり小なり、誰しも人には言えない過去や秘密を抱えて生きている。そして家族や恋人、友人に見せる顔が一つとは限らない。自分や周りの“unknown(知られざる顔)”とどう向き合っていくのか。大きな秘密をはらんだ作品から、届けたい愛のメッセージとは。

シャツ¥148500、パンツ¥165000、リングネックレス¥58300、ブレスレット¥83600、リング¥53900/フェンディ(フェンディ ジャパン) その他/スタイリスト私物

フラットな現場だから驚くほど自分を解放できる

 田中圭が高畑充希とダブル主演を務めるドラマ『unknown』は、2018年に第1シリーズが放送されたドラマ『おっさんずラブ』の制作陣が再びタッグを組んだ期待作だ。


「『おっさんずラブ』チームで何かやりたいっていうのは、もうずっと前から思っていたことでした。いよいよそれが叶ったので、面白いことになるだろうなとワクワクしています。高畑充希さんとは初めてご一緒させていただくので、それも楽しみです。共演者の皆さんとはまだ顔合わせもしていない状態ですが、脚本だけは先に読ませてもらいました。連続ドラマではめずらしいことなのですが、『unknown』は大まかな台本が最終回まですでに出来ていて。時間を掛けて綿密に練られてきたんだなという、並々ならぬ気合を感じています。そして、最終回まで脚本を読んでみて思ったのは、このストーリーは本当にヤバいなと。すごく、ふざけています(笑)。このチームでしか成立しないようなお話なので、そういう目線でも、皆さんに楽しんでいただけるのではないかなと思っています。そして、話がとにかく壮大。今はこれ以上言えないですが、ゴリゴリのラブコメだと思って観ていたら……⁉あなたたち、最終回まで本当にすごいことしようとするねという感じです。台本に書くだけなら簡単だけど、映像化するって難しいじゃないですか。もちろん挑戦する価値は高いと思いますが、これ、実際できますか?という、『おっさんずラブ』チームならではの脚本でした(笑)」


独特の表現やキャラの濃さが話題を呼び、『おっさんずラブ』シリーズでは社会現象を巻き起こした。幾度もタッグを組んだことでスタッフたちとの信頼が深まり、それぞれが意見をぶつけやすい空気が生まれている。


「現場じゃないところでも時間を共有しているので、制作陣ともとても仲が良いです。そうやって気を許しているからこそ、いい意味でお互いを放置する関係性が出来上がったのかなと。そんな僕らですが、作品に入った瞬間にそれぞれの持ち場からプロとしてぶつかっていく。それが心地いいです。このチームだけの独特の現場の作り方や言い回し、お芝居の向き合い方があって、監督、プロデューサー、脚本に対して、僕が自分の意見を素直にたくさん言える唯一の現場です。他ではこんなには言いません。やはり大前提として、監督たちがやりたいことを表現するのがプレーヤーである役者の仕事なので、その意向に寄り添おうとしますし。作品によっては、主演の芝居に寄せていこうとする空気もあるので、求められている範囲内で試行錯誤をするのが基本的な自分のスタイル。だけど、このチームはフラットな関係性なので、自分でも驚くくらい、意見をバシバシ出せるんです」

ジャケット¥423500、パンツ¥159500(参考価格)、バイカーショーツ¥71500(参考価格)、シューズ¥127600/ジバンシィ 
ネックレス¥55000、ブレスレット¥121000、リング¥27500/ヒアーズ その他/スタイリスト私物

違いを否定するだけの頭カチコチな人にはなりたくない

今作は、“誰にも言えない秘密”を抱える2人が、お互いの秘密を受け入れ、愛を見つけるストーリーとなっている。そして、その一つが、高畑充希演じる婚約相手・こころが、実は“吸血鬼”だったという、ぶっ飛んだ設定だ。ただその裏には、自分とは異なるものを受け入れることの勇気、社会の多様性や愛の偉大さを想起させる部分がある。


「吸血鬼が登場するって聞いた時、単純にすごく面白そうだなと思いました。人間ではないキャラクターが登場するファンタジー要素もありますが、この作品では、つまり、大きな括りで愛を表現したいんだなと。監督たちからはそういう思いが伝わってきました。それには僕も大賛成で。だって愛は男女間だけに生まれるわけじゃないし、物に対してだっていい。みんな違うし、形もそれぞれじゃないですか。愛って自分と相手の違いもちゃんと知って、それを認めることだと思うんです。愛に限らずとも他者との違いを知って認めることって本当に大事だなって。例えば、身近なところで僕が感じた違いだと、子供たちとの感覚です。僕の世代が子供だった頃と比べて、今の子供たちってデジタルが圧倒的に普及しているから、触れる情報量も違うし、その感覚の違いに毎度驚かされています。しっかりしているし、でもなんか脆い気もするし。僕がMCをさせてもらっていた音楽番組『MUSIC BLOOD』で、新世代のアーティストさんの話を聞いていた時もそう。『なるほどね、そういう考え方があるんだ』と学ぶことが沢山ありました。若い世代と触れる度に感じますが、そこで考え方の違いを受け入れられないような頭カチコチの人にはなりたくないと思っています」

田中圭

たなかけい 1984年生まれ。東京都出身。2003年、ドラマ『ウォーターボーイズ』で注目を集める。数々のドラマ、映画、舞台に出演する一方、バラエティ番組のレギュラーや音楽番組のMCを務めるなど、幅広く活躍している。日本テレビ系水曜ドラマ『リバーサルオーケストラ』に出演中。4月より放送のテレビ朝日系連続ドラマ『unknown(アンノウン)』では、高畑充希とダブル主演。大きな秘密を抱える警察官の役を演じる。

with4月号は現在書店、ネット書店で発売中

with4月号の出演者は下記の通り。

【インタビュー】井口理(King Gnu)、ももいろクローバーZ、安藤政信が撮る宮本茉由、梅澤美波(乃木坂46)、Awich、木戸大聖、s**t kingz、田中圭、JI CHANG WOOK、野木亜紀子、Pond&Phuwin、松下洸平、ももいろクローバーZ(50音順) 【ニュース】 『Snow Man カレンダー』レポート

Photo: Kohey Kanno Styling: Mizuki Iri  Hair & Make-up: Ayano Iwane Interview: Yumiko Ito

※本記事は『with4月号』(2023年3月6日発売)刊行時点の情報です。年齢、肩書きは刊行時のままです。また、作品情報に関しては、上映・放映・上演が終わっている可能性があります。

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